~ 磐梯朝日国立公園指定60年 ~ 美景 山と湖

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(33)<秋あだたら> 風が揺らす錦の装い

【写真】安達太良山の山頂まで山肌一面を彩る紅葉がハイカーを感激させる=12日午前10時50分ごろ。

 猛暑の夏を越え、県内の国立公園の山々は彩りの秋を迎えた。連載が始まった春、まだ雪に覆われていた安達太良の山々も、鮮やかな赤や黄を装い、華やぐ。人々を引き付ける安達太良の秋を4回にわたって紹介する。

 奥岳登山口からぼんやりと見えた赤や黄が、ゴンドラリフトで山に近づくに連れ鮮やかさを増した。
 薬師岳のビューポイントは、ゴンドラの山頂駅からすぐそこだ。なのにスニーカーの観光客も、リュックサックの登山客も歩を急ぐ。「早く、早く」「すごいよ」という声がそこかしこから聞こえる。ナナカマドやベニサラサドウダンの赤、カエデの黄がパノラマのように広がる一面の秋が目を奪う。
 3連休は雨の日も、ガスで辺りが見えない日もあった。風でゴンドラが止まった時間もある。盛りの紅葉に出合えるかは運が大きく左右する。それだけに見事な錦秋の記憶は、人生に刻まれる幸福な一瞬になるだろう。
 同じ登山コースでも、視界を遮る木々が雪の下にある冬と、色鮮やかな木々に包まれた秋では趣がまるで違う。3月、冬の装いの安達太良はキリリとした空気が心地よかった。今はどこか優しい風が汗を収めてくれる。
 年に1度は安達太良に登るという福島市泉の無職大内重雄さん(72)は12日、妻征子さん(70)と知人の貝沼博子さん(59)を初めての安達太良に案内した。
 「素人の私でも山は優しく迎えてくれた。いろんな色が素晴らしかった」と、貝沼さんにとっても思い出に残る初登山となった。

   文  佐久間 順
  写真 丹治 次男

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