~ 磐梯朝日国立公園指定60年 ~ 美景 山と湖

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(34)<秋あだたら> 朝日に輝く鉄山の壁

【写真】牛の背から望む沼ノ平。白と灰色、茶褐色の大地が登山客を圧倒する。奥は磐梯山=13日午前8時50分ごろ。

 朝、くろがね小屋が背にする鉄山の壁は朝日を浴びて黄色に輝きだす。宿泊した登山者が1人、2人と出発していく。
 岩場を登り、「牛の背」と呼ばれる尾根に出ると、沼ノ平の絶景が目に飛び込んできた。安達太良名物の強風はないが、白と灰色と茶色が入り交じった火口から硫黄臭が漂う。
 ここから南に向かえば安達太良山頂、北は鉄山。山頂から下山するには観光客でにぎわう薬師岳方面が近道だが、和尚山を経て郡山市の銚子ケ滝に下るルートもある。
 和尚山に向かう登山道は、ゴツゴツとした岩場から、すぐに低木の紅葉へと変わる。赤や黄のじゅうたんを敷いたような落ち葉の道。ナナカマドやカエデのトンネルを進む。
 背後には五葉松平から安達太良山頂、船明神山の紅葉のパノラマが広がり、登山客は目に焼き付けようと何度も振り返りながら歩を進める。
 和尚山からは緩やかな下りになる。まだ緑の葉のミズナラやブナ、ダケカンバが多くなり、登山道は森の中へ。耳を澄ませば石筵(いしむしろ)川上流部の水音が届く。周囲が秋色になるのは、もう少し先だ。
 福島市北沢又の無職佐藤国夫さん(76)、無職高橋東司さん(67)は13日、ゴンドラで五葉松平を訪れた後、車で銚子ケ滝、猪苗代町の達沢不動滝と巡り、秋の安達太良を満喫した。「最高の景色」と声をそろえた。16、17の両日、安達太良はシーズン最高のにぎわいになるという。

  文  円谷 真路
 写真  丹治 次男

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