~ 磐梯朝日国立公園指定60年 ~ 美景 山と湖

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(35)<秋あだたら> 切り立つ絶壁胎内岩

【写真】斜面からそそり立つような胎内岩。奥には秋元湖が見える=13日午前10時ごろ。

 中通り側からは穏やかな山容の安達太良だが沼ノ平の火口を囲む外輪のルートは、荒々しい別の顔も見せる。
 安達太良の山頂に連なる「牛ノ背」「馬ノ背」と呼ばれる尾根を北に向かうと、右の谷の底にあるくろがね小屋を挟んで見事な紅葉の斜面が見える。左の沼ノ平には地表をはがされたようなむきだしの土色が広がる。
 鉄山を過ぎ、鉄山避難小屋から北に向かうと箕輪山のゆったりとした頂につながる。紅葉は山頂部周辺は盛りを過ぎ、下に移りつつある。辺りに視界を遮る高い木はない。天気さえよければ磐梯山はもちろん吾妻や蔵王の山並みもぐるりと眺望できる。
 はうような低木の間の道を西に進むと、まるでグランドキャニオンの一部のような切り立った絶壁が見えてくる。胎内岩だ。がけのすぐそばを通る道はなかなかのスリル。間もなく盛りを迎える紅葉の斜面がグレーの岩肌に映える。「胎内くぐり」という岩のすき間を過ぎて下っていくと中ノ沢、沼尻温泉の源泉場に到達する。
 ここからさらに下るとコースのハイライトの一つ、白糸の滝の絵のような姿を見ることができる。
 13日、沼尻口から安達太良に入った東京都小平市の会社員岡田宏基さん(42)は以前、仕事で本県に通った経験があり、いつか山にも登りたいと考えていた。今回は3日間で安達太良から吾妻を縦走する計画。「福島は人もいいし、山もいい。最高の季節を満喫したい」と話した。

   文  佐久間 順
  写真 丹治 次男

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