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早逝の娘、しのぶ春 ゆかりの桜、今年も咲く

ゆかりの桜、今年も咲く

長女ゆかりの桜を見上げる村上さん夫妻

 福島県新地町谷地小屋字釣師11、旅館「朝日館」館主村上哲夫さん(63)方で、がんのため26歳で早逝(そうせい)した長女菜穂子さんゆかりの桜が五分咲きになった。哲夫さんは妻美保子さん(57)とともに、面影を思い出すとともに、娘に負けず前向きに生きることを誓っている。
 山形大農学部大学院を卒業し会社の研究室に勤めていた菜穂子さんが病を知ったのは23歳の時。がんの中でも女性には珍しい部位のがんで約2年半の闘病生活だった。
 桜を植樹したのは長女が亡くなった平成12年6月から1年後。インターネットでさまざまな職業の人が交流する「メキキ」の会のメンバーである美保子さんが角膜をアイバンクに登録していた長女の話をつづった。
 病の床で臓器移植カードを準備していた菜穂子さん。死後、美保子さんはこれ以上娘を苦しめたくないと反対したが、最後は夫の「菜穂子の遺志」との言葉に納得した。ブログには菜穂子さんの瞳がどこかで役に立ち、今もこの春、どこかの桜を見ているかもしれない―と記した。
 この話に感動した「メキキ」の会員である東京の会社社長が苗木を新地まで贈ってくれた。か細い幼木だったが村上さん夫妻は慈しみ平成14年、ようやく2輪ほど花をつけた。
 闘病中、菜穂子さんは一言も弱音を吐かず、両親を逆に励まし続けたという。美保子さんは「病魔に冒されながらも最後まで一生懸命に生きた娘の思いを大切にしていきたい」と哲夫さんとともに桜を見上げている。

カテゴリー:響く

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