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命の尊さ切々と エッセー発売 母と夫自殺で失った渡辺美保さん(福島)

著書と夫の遺影を手にする渡辺さん

 自殺で母と夫を亡くした渡辺美保さん(34)=福島市黒岩=が、悲しみの中で気付いた命の尊さなどをつづった著書「生きる喜びをもう1度」が2月1日に発売される。「当たり前にある幸せを大切にしてほしい」との願いを込めたエッセー集で、「日本文学館出版大賞」ポエム部門で特別賞を受賞。発売前から共感の輪が広がっている。

■日本文学館出版大賞特別賞 共感広がる
 昨年3月、渡辺さんの夫・功さん=当時(35)=が自ら命を絶った。借金に苦しんでいた。11年間寄り添い「甘えん坊で優しくて、いつもわたしの味方でいてくれた」というパートナーを失い、心にぽっかりと穴が空いた。渡辺さんは高校2年の時、うつ病による自殺で母親も亡くしている。身内に悲劇が続く原因を自分に問い詰め、その時々の思いをノートに書き留めた。
 ノート1冊分に近づいた昨年6月、誰かに読んでもらいたい気持ちが膨らんだ。公募雑誌に載っていた「日本文学館出版大賞」ポエム部門に応募し、特別賞に選ばれた。出版社から発刊を勧められ、考えた末「思いが残せるなら。自殺の悲しさを伝えたい」と出版を決めた。
 著書では「楽しみはどこにでもある。生きる喜びをもう1度見詰め直して」と、自分の心と対話して、小さな幸せを見つける大切さを訴えた。
 1月中旬、一般発売を前に届いた本を友人に見せると評判が瞬く間に広がった。2週間足らずで約170冊の注文が寄せられた。朗読会の資料にさせてほしいという依頼もあった。渡辺さんは人と人の心がつながる温かさを感じている。
 本の表紙には、雲間から太陽の光がのぞく風景写真を選んだ。「ショックの中にも光が見えそうな感じが良かった」。多くの人に希望に満ちた日々が訪れることへの願いが込められている。
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 「生きる喜びをもう1度」は全国の書店で注文できる。価格は700円(税抜き)。問い合わせは日本文学館 電話03(4560)8100へ。

カテゴリー:響く

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