今春、会津大を卒業した坂本通治さん(22)は会津なまりの特徴を科学的に解析した。只見、金山両町など会津の一部で「イチゴ」を「エチゴ」と発音するなど「い」が「え」になる会津独特の特徴をコンピューターを使って分析し、発声と舌の関係を解き明かした。研究成果は5月に日本方言研究会の学会で発表される。コンピューターに強い会津大の研究が、文系の学会で発表されるのは珍しい。
坂本さんは会津若松市出身。会津各地で録音した住民の声を聞いていたところ「い(i)」の発声が「え(e)」になっていることに気付き、声を専用ソフトで解析した。
声の周波数を舌の形に添った2次元の座標軸に置き換えると、なまりの強い会津の人は「い」を「え」の舌の動きで発声していることが分かった。さらに「i」が子音の「t」「s」「n」に続く時は舌の形が「う(u)」に近くなっていた。例えば「ちから(力)」は「つから」などになる。発音は個人差があるので会津全体に当てはめるのは難しいが、各地で一定の傾向がみられたという。ただ、どうしてこうした特徴が出るかについては分かっていない。
研究は会津弁のデータベース化に取り組んでいたイアン・ウィルソン上級准教授らとともに進めた。会津各地を訪ね、会津弁を話すお年寄りの対話や単語をデジタルオーディオで録音、解析。卒業論文で発表した内容をウィルソン上級准教授、金子恵美子と山内和昭の両准教授が加筆し学会用論文に仕上げた。
坂本さんは「研究で会津への愛着が一層わいた」と喜ぶ。ウィルソン上級准教授は「文系の学会で会津大の名前を知ってもらえる絶好の機会」ととらえている。学会は5月28日に東京都の日本女子大目白キャンパスで開かれる。今回で90回目の歴史ある大会で、審査を通過した研究論文が発表される。
会津なまり科学的に解明 会津大卒業生「い」と「え」の舌の動き関係と研究
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