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心不全の死亡防止などに効果 睡眠時無呼吸症候群の治療、福医大が初確認

義久精臣助教

 福島医大の循環器・血液内科学講座(竹石恭知教授)の医療チームは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療が心不全悪化による入院や死亡を減少させる効果のあることを臨床研究で立証した。同大は来年1月、心臓病分野での効果的なSAS治療法や診療体制構築に向けた講座を新設する。
 同講座の義久精臣(よしひさ・あきおみ)助教が今月、米シカゴで開かれた米国心臓学会総会で発表した。SAS治療による心不全の一時的な改善は確認されていたが、抜本的な効果を確認したのは世界初。
 臨床研究はSASを併発する心不全患者60人を対象に実施した。心不全患者の3~4割は血液循環不良などによる中枢型SAS「チェーン・ストークス呼吸」を併発するが、多くは無自覚という。
 睡眠時に空気を体内に送る装置を23人に着けて無呼吸状態を回避させる一方、SAS治療を希望しなかった残り37人には装着せず、半年から3年間、容体を観察した。SAS治療をした患者は半年程度で心機能が改善し、その後心不全が悪化して再入院や死亡したのは8.7%にとどまった。SAS治療未実施の場合は37.8%が再入院、または死亡した。
 心不全患者にSAS治療を導入している病院は全国で数カ所。SAS治療を受ける心不全患者は1割に満たない。百村伸一自治医科大付属さいたま医療センター循環器科教授は「世界的にないデータで意義のある成果。心不全の有効な治療法に結び付く可能性がある」と評価する。
 新しい講座は5年間、医療用電子機器の開発・製造などのフクダ電子(本社・東京)から計1億5000万円の資金を受ける「寄付講座」として設けられる。心臓病に合併するSASに対し、患者負担の少ない治療法などを研究する。

※睡眠時無呼吸症候群
 睡眠時にのどの筋肉の緩みや舌が気道をふさいだり、呼吸中枢の異常で一時的に呼吸が止まる病気。一般的に7時間の睡眠時間中に10秒以上の呼吸停止状態が30回以上か、1時間に5回以上の場合が睡眠時無呼吸とされる。重症の場合、2分間も呼吸が止まったり、無呼吸時間が全睡眠時間の3分の2を占めるケースもある。

カテゴリー:なるほど

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