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「指紋」と向き合った35年 今春定年の県警本部持地孝夫さん

最新の識別システムで指紋を照合する持地さん

 県警本部鑑識課主幹兼課長補佐の持地孝夫さん(60)=福島市渡利=は35年間、「指紋」と向き合い、今春定年を迎える。19の事件功労賞を受けた名鑑定官で、ルーペで照合した時代から現在まで事件を見詰めてきた。時効が迫る未解決事件の再照合に追われる中、培った技術と情熱を後進に伝える。
 40代の頃、遺体が切断されたバラバラ殺人事件があり、女性に多い弓なりの指紋が検出された。持地さんは直感で言った。「容疑者は女ではないか」
 指紋を前歴者の指紋と照合する作業を「手繰(てぐ)り」と言った。「小さな特徴を見つける手繰りの経験が自分を育ててくれた」。その後、女性の容疑者が逮捕された。
 持地さんは昭和44年に県警一般職員で採用され、51年に鑑識課指紋係になった。年間1000件以上の事件を扱ったことも。納得できるまで粘り、夜が明けた日は数え切れない。
 平成12年、県警に指紋自動識別システムが配備され、作業は様変わりした。4、5日はかかった現場の指紋と保管分との照合がパソコンを使い1日でできるようになった。指紋の容疑者特定に果たす役割は変わらないが、持地さんは「機械や科学が進歩しても最終確認は人がする。誤認逮捕があってはならない」と緊張感を忘れない。4年前に県警初の「主任指紋鑑定官」の1人に選ばれた。
 今月、6人の部下が「(事件に備える)自宅待機は私たちがします」と買って出た。退職前の気遣いをありがたく受け、「今のうちに何でも聞いてくれ」と返した。鑑定人生を支えた「根気」の大切さを説き続けている。

カテゴリー:なるほど

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