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夫の教え子と花見

亡き夫の教え子やきょうだいに囲まれる加藤静江さん(中央)

「残してくれた最高の財産」夫の教え子と花見 60年前-あなたが見ていたサクラの下で 浪江から二本松に避難加藤静江さん

 青空に映える合戦場のしだれ桜。見上げていると熱い思いが胸に込み上げてきた。亡き夫も60年前、きっと同じサクラを見ていたに違いない。
 浪江町から二本松市新殿地区に避難している加藤静江さん(79)は26日、数学教師だった夫・拙朗さんの教え子らに誘われ、花見に足を運んだ。
 拙朗さんは昭和26年から3年間、新殿中(現岩代中)で教壇に立っていた。静江さんは被災した後、夫がかつて下宿していた新殿地区の家に世話になっている。夫の最初の教え子だった浦山利一さん(74)、新村トシさん(74)、高野智枝さん(74)らが聞きつけ、静江さんを励まそうと声を掛けた。
 拙朗さんは、双葉中に勤務していた昭和50年5月に49歳で亡くなった。「ならぬことはならぬ」を信条とする厳しい先生だった。だが、教え子の就職先を訪ねるなど面倒見が良く、大勢の生徒に慕われた。毎年、恩師の墓参りをしている浦山さんは「山木屋中へ転任する際は、保護者らが荷物を背負い、境の羽山を越えて送った」と振り返る。
 花見の後、教え子の1人新村さんの実家三浦五郎さん(80)宅に寄った。拙朗さんの弟の加藤摂生さん(82)=国見町=らも同行、拙朗さんをしのびながらみんなで時を過ごした。
 静江さんは「ここにいる教え子の皆さんこそが、夫が私に残してくれた最高の財産」と目を細めた。

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