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県産リンゴ希望の実り 20年越し新品種開発 県果樹研究所

新品種のリンゴの色づきを確かめる滝田さん(左)と岡田さん=24日、福島市の県農業総合センター果樹研究所

 福島市の県農業総合センター果樹研究所は色づきが良く、蜜が豊富に入ったリンゴの新品種を開発した。収穫期が極めて遅いため、新たな市場開拓が見込まれる。12月中に農林水産省に品種登録を出願し、年明け以降に認められる見通しだ。研究着手から20年余。東京電力福島第一原発事故からの復興へ果樹農家の期待が高まっている。

■極めて晩成 春まで貯蔵可 色よし蜜よし
 果樹研究所によると、新品種は登録前の名称で「リンゴ福島6号」と呼ばれる。濃い赤色と強い酸味が特徴の「ほおずり」と深い甘みの「陽光」を交配させて誕生した。主力品種「ふじ」と同程度の大きさで、濃い赤色で糖度が高く、蜜を多く含んでいる。熱を加えても果肉が崩れにくく、生食用だけでなく洋菓子など加工品にも適している。
 収穫期はふじより遅い11月下旬から12月上旬で、ほとんどの品種の収穫が終わったころに出荷でき、市場価値が高まると期待されている。冷蔵庫で保管しても風味や蜜の低下が少なく、貯蔵性が高いのも魅力だ。
 品種登録後、苗木が販売できるようになる。本格的に市場に流通するのは、早ければ4~5年後になる見通し。
 果樹研究所は平成4年に福島6号の研究に着手し、8年後に初めて実がなった。しかし、リンゴの育種は食味が落ちたり、着色が悪かったりと大半が成功しないという。そこで研究所は栽培を繰り返し、品質調査を重ねた。
 実の品質が安定してきたことから、平成22年に試験栽培に移行し、県内の生産者が普及性の調査に協力した。各生産地で、研究所と同じ品質の実ができ、品種登録の最終段階にこぎ着けた。
 福島りんご研究会の畠直七会長(68)=福島市=は「赤い色がしっかりつく上、つる割れが少なく、商品となる割合が高い」と太鼓判を押し、「春まで貯蔵でき、リンゴを食べながら花見ができる」と流通を待ちわびる。
 果樹研究所のリンゴ育種担当研究員の滝田雄基さん(29)と育種総括主任研究員の岡田初彦さん(48)は「県内の多くの生産者に育ててもらい、復興の象徴になってほしい」と願っている。
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 これまでに県が開発したリンゴの品種は「ほおずり」「緋のあづま」「会津あかね」がある。県はリンゴ福島6号の名称を県内外から公募した。登録時に公表する予定。

カテゴリー:びっくり

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