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JRA初、木幡親子3人現役騎手

合格を喜びがっちり握手する初広さん(左)と巧也さん

 南相馬市原町区出身で日本中央競馬会(JRA)所属騎手、木幡初広さん(50)の次男巧也(たくや)さん(19)は11日、騎手免許試験に合格した。長男初也さん(20)を含め、JRA史上初めてとなる「親子3人現役ジョッキー」が誕生。3月からレースで技を競う。初広さんの実家は東日本大震災の津波で被害を受け、父は避難後、亡くなった。「被災して5年の節目。共に勝利を重ね天国に報告する」と誓う。
 JRA美浦(みほ)トレーニングセンター(茨城県美浦村)で発表された平成28年度新規騎手合格者に、「木幡巧也」の名前があった。巧也さんは喜びをかみしめ、現役最年長騎手の初広さんとがっちり握手を交わした。競馬学校騎手課程を留年したため、同期生から1年遅れてデビューを迎える。「発表直前はすごく緊張した。どうしても騎手になりたかった。諦めなくて良かった」と笑顔を見せた。
 初広さんは「(昨年は)悔しかったと思うが、いい経験になった。これから本当の勝負だ」とエールを送った。初也さんは滞在先の小倉競馬場(福岡県北九州市)で吉報を受け、「弟だがこれからはライバル。今後はアドバイスしたい」と喜んだ。
 初広さんが生まれ育った実家は震災の津波で浸水した。東京電力福島第一原発から20キロ圏内だったため、父初身さん=享年(70)=、母久子さん(75)は避難生活を余儀なくされた。初広さんはマイクロバスを運転し、初也さんと共に10時間以上かけて両親を迎えに行ったという。美浦村の自宅で共に生活した時期もあった。
 相馬野馬追の里で暮らし、自らも騎手に憧れたという初身さんは初広さんに馬乗りを教えた。震災から1カ月後、孫の初也さんが競馬学校に入学する際には涙で見送った。初広さんは「初也が騎手になるのを楽しみにしていたが、巧也もデビューすると思っていなかったはず。生きていたら誰よりも喜んだだろう」としみじみ話す。
 現在、三男育也さん(17)が競馬学校騎手課程で学んでいる。来春デビュー予定で、親子4人が中央競馬の騎手としてそろう日も遠くない。
 24年4月、震災と原発事故で開催が見送られてきた福島競馬が再開した際のセレモニー。騎手代表としてマイクを握った初広さんはファンに向かい、「一日でも早く元の生活を取り戻せるよう願います」とあいさつした。「4人一緒に福島で騎乗できれば最高」と夢を語った。

カテゴリー:なるほど

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