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震災支援世界に恩返し 水没迫る島国海岸補強 富岡から郡山に移転建設コンサルタント「ふたば」

美しく整備されたツバルの海岸

 東京電力福島第一原発事故で富岡町から郡山市に拠点を移した建設コンサルタント「ふたば」は、県沿岸部の津波被災地の復旧で培った技術を生かし、水没の危機に直面している太平洋の島国ツバルの海岸改良に挑んでいる。試験的な工事がこのほど完了し、近く本格施工に入る見通しだ。社長の遠藤秀文さん(44)は「東日本大震災後に古里は海外から多くの支援を受けた。次は恩返しの番」と国際貢献に意欲を燃やしている。

 ツバルの海岸工事は政府開発援助(ODA)による技術援助の一環で、ふたばと大手建設コンサルタント「日本工営」の共同企業体が平成24年2月に始めた。
 首都フナフチがあるフォンガファレ島の海岸約200メートルをモデル地区に選んだ。遠藤さんらはかつて生活の場にもなっていた美しい海岸線を回復させつつ護岸を強化する手法を提案した。
 通常は大きな石や波消しブロックを使うが景観を損ねる上、財政規模の小さなツバルにとって大きな負担となる。このため海底の砂や海岸に打ち寄せた小石を積み重ねる独自の工法を採用。素材を地元で調達できる上、コスト低減と景観にも配慮できる"一石三鳥"の工法だ。モデル地区ではハリケーンによる水害が防止され、波による侵食も抑えられている。浜辺は再び人々の憩いの場となった。
 今後、1年ほどをかけて検証作業や現地業者への技術指導などを経た上で、ツバル政府や同様の問題を抱えている近隣の周辺諸国に広める。

■「防災に貢献したい」 社長の遠藤さん
 遠藤さんは震災後、被災した県内の海岸や港湾、道路、農地などの測量・設計をはじめ原発事故で避難区域に指定された自治体のまちづくりに携わってきた。住民の意見を聞きながら進める復興の在り方や復旧工事を契機に防災機能を向上させる考え方をツバルで生かした。
 遠藤さんは日本工営を退社した平成19年に古里に戻り、父親で富岡町長を務めた故勝也さんの起こした会社を継いだ。海外勤務の経験を生かし、国外展開に乗り出した直後に震災に見舞われた。
 避難区域となった町から郡山市に避難。復旧の陣頭に立つ父から双葉郡の復興に向けて1日も早く事業を再開するように告げられ、震災から1カ月後に市内に拠点を構えた。
 遠藤さんは「被災した企業ならではの発想で防災に貢献したい。福島で生まれた技術をいずれは世界標準にしたい」と思いを描いている。

※ツバル 面積は約25・9平方キロで複数の島から成り立つ。人口約9900人。農業や漁業が主産業。国土が環礁から成り立っており、地球温暖化による海面上昇で水没の危険性が指摘されている。昨年5月にいわき市で開かれた「太平洋・島サミット」にも参加した。

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