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取れたて野菜を都心にお届け 村内の農家有志、なかじまルシェ

東京での出張販売に意気込むなかじまルシェのメンバー。前列左が椎名さん

 中島村の農家有志は農産物の風評払拭(ふっしょく)を目指し、8月から11月まで毎月1回、東京で村の取れたて野菜などを出張販売する。昨年実施したところ好評で、今年は種類を増やし、県内の市町村で2番目の生産高を誇るトマトや特産のブロッコリーなどを売り込む。関係者は「都会の消費者に村の野菜のおいしさと安全性をアピールしたい」と意気込む。
 実施するのは村の農家らでつくる「産直なかじまルシェ実行委員会」。10人で組織し、収穫した野菜を持ち寄る。東京都文京区本郷に本社、中島村滑津に福島工場を構える印刷会社タカラが自社のトラックで農産物の運搬に協力する。タカラ本社の一角を借りて販売する計画だ。
 今年初めての出張販売に向け、なかじまルシェのメンバーは7月20日、準備のためタカラ福島工場に集まった。特製の横断幕を用意したり収穫から販売までの一連の流れを確認したりした。
 出張販売のきっかけは東日本大震災と東京電力福島第一原発事故だった。なかじまルシェの事務局長を務める椎名和馬さん(26)は震災当時、群馬県の大学に通っていた。故郷の窮状を見て「自分にできることはないか」と考えた末に大学を中退し、平成25年に地元に戻った。農業生産法人を設立し、耕作放棄地を利用してトマトやブロッコリー、ジャガイモなど多品目多品種の生産を始めた。椎名さんは「どれも自信を持って作った農産物ばかり」と胸を張る。
 昨年春、タカラから復興支援の一環として「東京の本社で中島村の農産物を販売できないか」と村を通じて依頼された。首都圏で農産物が売れないなどの風評被害で苦しむ中、願ってもない好機と考え、椎名さんらは仲間となかじまルシェを発足させた。昨年夏から計5回、出張販売したところ購入者から「今度はいつ開催するのか」と待ち望む声が上がった。
 「鮮度が農産物の最大の魅力になる」。椎名さんは収穫した農産物を市場を通さずに短時間で翌朝には並べられるのが出張販売のメリットと語る。昨年は10程度だった野菜の種類を増やすため、中島村周辺の市町村でも出品者を募っている。
 なかじまルシェは出張販売を長期的に継続し、ゆくゆくは東京に拠点となるアンテナショップの出店も視野に活動を続けていく。
 加藤幸一村長は「首都圏の消費者に村の農産物の魅力を知ってもらう絶好の機会。村としても取り組みが長く続くよう応援していく」と期待している。

カテゴリー:なるほど

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