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岩子の神楽伊勢神宮へ 300年前相馬に伝承 絆強め11月7日奉納

伊勢神宮内宮で神楽を奉納する岩子神楽保存会の会員

 東日本大震災の津波被災地・相馬市岩子(いわのこ)に伝わり県内最古の一つとされる「岩子の神楽」が11月7日、来年の誕生300年を前に伊勢神宮(三重県伊勢市)に奉納される。後継者不足で平成に入り一時途絶えていたが震災後、地域の絆を強めようと青年会のメンバーが中心となって保存会を結成し、稽古に励んできた。「古里の伝統芸能を未来につなぎたい」という熱い思いを胸に晴れ舞台で演じる。
 30代から60代までの岩子神楽保存会の会員22人が伊勢神宮を訪れる。天照大神(あまてらすおおみかみ)を祭る内宮(ないくう)の神楽殿で、太鼓や囃子(はやし)に合わせ「四方固め」「鈴舞」「幣束舞」などの舞を奉納する。県神社庁を通じ許可を得た。保存会によると、江戸時代に伊勢地方で神楽を学んだ岩子の住民が古里に伝えたという言い伝えがある。約300年の時を経て、自らのルーツといえる場所に神楽が戻る。
 岩子の神楽は代々、青年会が演じてきた。しかし、年々担い手が減少し平成20年に、地元での奉納は途絶えた。23年に起きた震災の津波被害で、松川浦に面した地区の135世帯のうち20世帯ほどが移住。神楽の祭具は海水や泥をかぶった。
 「震災の影響で住民同士のつながりが薄れてしまう」。青年会のメンバーらは危機感を強め、地域のシンボルと言える神楽の復活を目指し、25年に保存会を結成した。
 会員は7月以降、毎週1回練習を積んできた。菅原政勝会長(65)は「300年間、継承できたことへのお礼と感謝の気持ちを込め精いっぱい演じたい。さらに300年続くよう願っている」と意欲を見せている。
 県文化財保護審議会委員の懸田弘訓さん(79)=二本松市=は「伊勢神宮内宮で奉納できるのは貴重で大変な名誉。民俗芸能を継承する団体にとっては大きな励みになる」とたたえている。

■8日は愛知で披露

 岩子神楽保存会は11月8日、愛知県豊川市の砥鹿(とが)神社で神楽を奉納する。東京電力福島第一原発事故からの風評払拭(ふっしょく)に向け、相馬市産の新米コシヒカリを参拝者に配布する。市が300グラム入りのコメ300袋を用意した。

カテゴリー:なるほど

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