ホッとニュース

  • Check

フラメンコの世界追求 芸術祭賞舞踊部門で新人賞 大沼由紀さん

11月の公演で踊る大沼さん

 今年度の文化庁芸術祭賞舞踊部門で新人賞を受けた会津若松市出身のフラメンコ舞踊家大沼由紀さん(55)は、本場スペインの伝統的な様式を守りながらフラメンコの神髄と常に向き合ってきた。
 受賞理由には「ギターや歌の名手の音楽に感応して体から湧き上がる自然な踊り。独自の繊細な動き、端正なポーズを紡いで悲しみ、怒り、喜びと深い感情も掘り下げる。表現はみずみずしく今後の成長も期待させた」などが挙げられた。
 会津女子(現葵)高、日大芸術学部音楽学科卒。銀テント「究竟頂」退団後、故・土方巽さんらに舞踊の教えを受けた。生計を立てるためピアノ演奏をしていた店でフラメンコと出合い、27歳の時に佐藤佑子さんに師事。平成4年、31歳でスペインへ渡り、へレス・デ・ラ・フロンテーラの町でフラメンコに魅了された。
 帰国後の11年、東京・中野にフラメンコ教室「エストゥディオ ブレーニャ」を設立。昨年、佐藤浩希・鍵田真由美舞踊団への客演で踊り手として新境地を開き、来年3月の同舞踊団公演に客演するなど活動の幅を広げている。来年2月はスペインで公演する。

■■インタビュー■■ 「魂に刺さるものを創る」

 大沼さんは福島民報社のインタビューに応じ「多くの人にフラメンコの存在を知ってもらいたい」と抱負を述べた。
 -初のエントリーで新人賞を受けた。
 「受賞はありがたく思うが、公演は自分の中で課題の残るものだった。でもそれが自分を知ることにつながる。矛盾と葛藤を繰り返しながらフラメンコを追求していきたい」
 -受賞対象となった「エスポンタネア」は9年ぶりの公演となった。
 「平成16、17年の公演で共演した歌い手が『また由紀のために歌いたい』と言ってくれた。それがかなわぬまま19年に急死してしまい、封印していた。彼のおいトマス・ルビチの歌声を聞き、自然に『またやろう』という気持ちが湧いた」
 -フラメンコ=歌という考え方の意味は。
 「フラメンコは生演奏を基本に即興で踊るもの。歌い手の呼吸や歌の長さなど知識がないと絶対にできない。歌を知らなければ、なぜここで、このポーズを取るのかという動機も生まれない」
 -自身の求めているものは。
 「見てくださる方の魂に刺さるものを創り上げること。ただ立っているだけで感動が生まれることもあるかもしれない。それを探し続けている」
 -フラメンコダンサー長嶺ヤス子さんも会津の出身。大沼さんにとって古里とは。
 「長嶺さんは孤高の人。たくさん作品も発表していてすごいと思う。会津は自分の誇り。負けないという気質、誇り高く生きる精神は自分の中にある」
 -今後の抱負は。
 「また舞台をやりたい。一流の奏者を束ねながら即興で踊ることはほかの人にはできないこと。自分も誇りに思っている。赤字をつぎ込んで舞台を創り上げてきた。活動に共鳴し、協賛してくれるような団体・法人があれば大変ありがたい」

カテゴリー:なるほど

ホッとニュースの最新記事

>> 一覧