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望郷の盆唄 後輩に託す 大熊の小6生 太鼓ばやし楽譜完成

太鼓ばやしの楽譜が完成し、演奏のポーズを取る児童

 大熊町の熊町、大野両小の6年生が古里の盆唄の継承に取り組んでいる。町民有志の指導を受け、昨年の運動会などで披露してきた。児童は、かつて夏の夜を盛り上げた盆唄の調べを胸に古里への思いを強めている。卒業を前に、1月17日の授業で太鼓ばやしの楽譜を作った。「大熊の誇りを守り続けてほしい」と5年生に引き継ぐ。
 ♪ドン・ド・コ・ドン・ドン-。児童が手で太鼓の代わりに床をたたく。リズムを確認しながら音符を紙に書き込む。6年生は熊町小が4人、大野小が6人。会津若松市河東町の仮校舎(旧河東三小)で机を並べる10人は17日の総合学習の授業で楽譜を完成させた。
 31日に5年生7人への引き継ぎ式を行う。楽譜と歌詞集を手渡し、模範演奏を披露する予定だ。指導に当たってきた町民らも立ち会う。2月からは5年生が授業などで太鼓を練習する。
 東京電力福島第一原発事故で全町避難して以来、盆唄は町民の胸の中に封印されていた。15歳未満の子どもについては、放射線の影響を考慮し政府などが一時帰宅をしないよう呼び掛けている。両校の歴代PTA会長会は町内に立ち入れない児童に伝統芸能を伝え、古里の存在を意識させたいと盆唄の指導を提案。一昨年、現在の6年生を対象に太鼓を教え始めた。
 盆踊りは町内各地で催され、盆唄の歌詞は地域によって若干異なる。町の高齢者が当時の歌い手からの聞き取りで歌詞集をまとめた。
 6年生は月1回程度の練習で腕を磨き、演奏の楽しさを知った。昼休みになると全員で自主練習をした。創作太鼓にも挑戦。昨年9月の運動会をはじめ、10月の学習発表会、12月に郡山市で開催した「ふるさと創造学サミット」で成果を披露し、来場した町民の目頭を熱くさせた。
 卒業後には会津を離れる児童もいる。6年生の田村真捺(まな)さん(12)は「自分たちの手で復活させた盆唄を途絶えさせたくない。5年生に頑張ってほしい」と後輩に期待する。
 熊町小の堀本晋一郎校長、大野小の加村育夫校長はともに「盆唄が子どもたちの手で守り続けられるよう学校としても力を入れたい」と決意を示す。
 「やぐら太鼓の笛の音聞けば ふるさと大熊 思いだす」。児童は6年間を過ごした仮校舎から古里を思い浮かべ、盆唄を口ずさむ。

カテゴリー:響く

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