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大漁旗「お帰り」 母港に喜びと活気 請戸漁港 漁船帰還

約6年ぶりに帰還した漁船を出迎える家族たちで活気づいた請戸漁港

 東京電力福島第一原発事故で全域が避難区域になっている浪江町の請戸漁港に約6年ぶりに漁船が帰還した2月25日、岸壁には漁業関係者と家族の笑顔があふれた。東日本大震災、東京電力福島第一原発事故以前のにぎやかな港を取り戻したい-。漁師たちは母港に接岸した愛船を眺めながら漁業と古里の復興への思いを新たにした。

 午前10時ごろ、真っ青な空をバックに大漁旗を勇壮になびかせた船影が請戸漁港沖に浮かんだ。
 「お帰りー!」。船団が次々と懐かしい母港に接岸するたびに待ち受けた家族や漁業関係者が声を上げた。漁師たちが誇らしげな表情で岸壁に降り立つと拍手と歓声が湧き起こった。
 愛船の前で子どもを抱き上げたり、記念写真を撮ったりする光景が広がった。「やっぱり請戸はこうでなくちゃ」。集まった人たちは喜びを分かち合った。町は避難指示解除を間近に控える。集まった人たちに復興に向けた歩みを強く印象付けた。
 請戸地区の漁業者代表の高野一郎さん(69)は愛船「高栄丸」で船団の先頭を切って入港した。「本当に感慨深い。震災前のにぎやかな請戸漁港に戻せるよう頑張りたい」と言葉に力を込めた。
 高栄丸は震災による津波で陸に打ち上げられた。変わり果てた姿を目の当たりにした時の落胆は大きかった。漁業を諦めなければならないのか。不安がよぎった。だが、気力はうせなかった。「俺は生涯現役だ。いつか必ず海に戻る」と決意を胸に刻んだ。あの日から約6年。とうとう古里の港に帰ってきた。
 請戸地区の漁業者は今後、請戸漁港から試験操業に赴き、本操業再開に向けた動きを確かなものにしたい考えだ。
 「請戸の漁業が復興する日を見守っていてほしい」。高野さんは航跡がにじむ波間を見つめながら震災で犠牲になった仲間たちに語り掛けた。

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