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世界基準の手術教育を 心臓血管外科研究団体が発足 福島のイービーエムに本部

フォーラム設立を宣言する松田名誉教授(右から6人目)と医療発展への貢献を誓う朴社長(同7人目)ら発足メンバー

 心臓血管外科医の技能向上を目的に設立の準備が進められていた学術任意団体「世界手術教育フォーラム」が27日、発足した。医療機器の開発・販売を手掛けるイービーエム(本社・東京)が福島市で運営する手術訓練施設「イービーエムふくしま製造開発センターFIST(フィスト)」に本部を置き、国際標準となる福島発の手術訓練法確立を目指す。
 フォーラムは国内で活躍する外科医ら約40人で構成する。兵庫医療大学長などを歴任し、臓器移植法の施行後、国内1例目となる心臓移植を執刀した心臓外科医の第一人者・松田暉(ひかる)大阪大名誉教授(75)が代表に就任した。イービーエムの朴栄光社長(35)が事務局長を務め、運営全般を取り仕切る。
 これまで外科医は手術の執刀を重ね、技術を磨いていた。近年、手術の場だけでなく、シミュレーターなどを用いた業務外の訓練「オフザジョブトレーニング(OffJT)」が重要視されている。
 日本胸部外科、日本心臓血管外科、日本血管外科の3学会で構成する心臓血管外科専門医認定機構は昨年9月に専門医資格取得の制度改正を行い、30時間以上のOffJTを必須とした。
 同フォーラムはイービーエムが開発した冠動脈バイパス手術の手術訓練プログラムを軸に、フィストや各地で手術講習会を開く。そのほか、フォーラム内に、運営、教育、OffJT普及推進などの各種委員会を設け、心臓外科手術全般における新たな練習、評価法を定め、具体的な手術教育法を策定する。毎年10月、フィストで年次総会を開き、各委員会の研究成果を共有する。各学会と連携し、これらの教育コンテンツを提供する。手術訓練に必要となる機器はイービーエムが中心となって開発する。
 日本心臓外科学会の学術総会を開催している東京・台場のグランドニッコー東京台場で27日、同フォーラムの発足会議が開かれ、松田名誉教授や朴社長ら発足メンバー12人が出席した。松田名誉教授が「若い外科医を育て、外科医療の質を高めたいという情熱を持った医師が集まった。手術教育の分野でこれからの医療を支えていく」とあいさつし、フォーラム設立を宣言した。
 朴社長は「福島を中心としたフォーラム設立は悲願だった。『福島から世界へ、世界を福島に』を合言葉に、新たな挑戦に取り組む」と意欲を語った。
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 イービーエムは心臓外科手術シミュレーターや手術の訓練プログラムなどを開発。福島民報社の第2回ふくしま経済・産業・ものづくり賞(ふくしま産業賞)で、福島民報社賞を受けている。

■学会総会 32年、福島で初開催

 日本心臓血管外科学会の学術総会が平成32年に福島市で開催されることが決まった。県内では初めて。福島医大の横山斉(ひとし)心臓血管外科学講座教授(58)が学会長を務める。28日に東京で開かれる同学会総会で正式発表される。
 学術総会では最先端の医療技術に関する研究成果が発表される。4日間の会期中、国内外から約3000人の医師が訪れることが見込まれる。医療機器産業の集積を進める県内の取り組みをPRする絶好の機会となる。
 横山教授は「開催決定はこれまで福島医大の心臓血管外科が地道に取り組んできた研究が認められた成果。震災と原発事故後、福島における医療は世界の注目を集めている。復興をアピールする場となるようしっかり準備を進めたい」と話した。

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