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浜風きららオープン 笑顔集う場所に 住民待ちわびた

食料品店で総菜などを買い求める新妻信一さん夫婦

 「復興に向けて歩むまちがより一層、元気になる」。いわき市久之浜町に20日、オープンした複合商業施設「浜風きらら」には初日から大勢の住民らが訪れ、地域のにぎわいを生み出す新たな拠点の誕生を祝った。

 浜風きらら開業の日。午後1時のオープンと同時に、施設内は待ちわびた住民らであふれた。
 地元の主婦阿部ヒサヱさん(72)は「買い物が便利になる」と喜んだ。久之浜では東日本大震災の津波で多くの建物が流失し、営業を再開した商店は少ない。店を巡るうち、海沿いに商店が並び活気があった震災前の景色がよみがえってきた。「久之浜に活気が戻った。懐かしい顔に出会いうれしかったよ」と目を細めた。
 無職川辺広己さん(65)は「食事が楽しめる場所が近くにできてよかった」と笑顔を見せた。施設は海岸沿いの遊歩道に隣接している。「散歩の途中にお茶が飲める。海産物の品ぞろえもいいし、晩酌が待ち遠しい」と声を弾ませた。
 久之浜の北側に位置し、東京電力福島第一原発事故により避難区域が設定された広野、楢葉両町では住民帰還が進むが、休業したままの商店が多い。楢葉町老人クラブ連合会長の新妻信一さん(79)は「双葉郡の住民にとって行き来しやすい施設ができた。オープンを歓迎する」と夕飯のおかずを選んでいた。
 施設を運営する浜風きらら株式会社の高木重行社長(60)は「しゃかりきに頑張ってオープンにこぎ着けた。これからが正念場。住民の交流と憩いの場にしたい」と言葉に力を込めた。

■亡き母に復興誓う 和食処とのがみ店主・新妻さん

 「いらっしゃい-」。浜風きららで開業した「和食処 とのがみ」の店内に店主・新妻篤さん(43)の威勢のよい声が響く。「多くの支援を受け念願の店を開いた。恩返しできるよう温かみのある店にしたい」と誓う。
 新妻さんは地元・久之浜出身。震災が発生した際、母光子さん=当時(67)=を亡くした。震災の影響で料理人としての職を失い、運送会社に勤めた。3年ほど前、久之浜町商工会の関係者から浜風きららへの出店を勧められた。
 光子さんは生前、「安定した職に就いてほしい」と息子に願っていた。自分の店を持ちたいと相談したら反対されたかもしれないと思ったが、決意は固かった。古里が震災の痛手から立ち直るよう奮闘している人たちの存在を知っていたからだ。心を込めた料理を振る舞い、被災地に笑顔を届けると準備を進めた。
 真新しい店内で旬の刺し身や天ぷら、おでんなどを提供する。「天国の母も応援しているはず。入居した関係者が力を合わせて明るい商店街をつくる」と表情を引き締めた。

■3施設連携 誘客拡大へ

 高木社長は浜風きららと市内四倉町の食と農業の体験型複合施設「ワンダーファーム」、道の駅よつくら港が連携し、市北部の観光活性化を目指す構想を明らかにした。3施設を巡る観光プランを提案し、市内だけでなく双葉郡や県外からも誘客を目指す。
 浜風きららのオープン初日、ワンダーファームが出店し、トマトやジュースなどの加工商品を販売した。

【-----入居テナント-----】

▼魚市場 和(生鮮食料品、総菜販売)
▼お食事・酒処 和―久之浜分店―(和食店)
▼SLOW DAYS Caf●(カフェ軽食)
▼和食処 とのがみ(和食店)
▼SHOPきらら(物販店、レンタルスペース提供)
▼チャリティーショップ ザ・ピープル(古着、リメーク品販売)
▼COCO&WOW(美容室)
▼久之浜町商工会(会議室)
▼久ノ浜郵便局(郵便、銀行窓口、保険窓口などの各業務)

※●はアキュートアクセント付きE小文字

◆問い合わせ先 浜風きらら(電話)0246-85-0871

カテゴリー:なるほど

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