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真っ向勝負ありがとう 双大竜が断髪式

双大竜の断髪式で、大銀杏にはさみを入れる父の高橋良男さん(右)

 大相撲の元幕内双大竜(35)=本名高橋亮三さん、福島市出身、時津風部屋=の断髪式は3日、東京・両国国技館で行われ、横綱鶴竜関ら関係者約320人がはさみを入れた。病気やけがに苦しみながら、大柄な力士に真っ向勝負で挑む姿は東日本大震災で苦しむ県民に勇気を与えた。思いが詰まった土俵の上で相撲人生に別れを告げ、感無量の表情を見せた。
 「双大竜!」。国技館の広い館内に、13年間にわたり土俵を沸かせ続けた双大竜をたたえる声が絶えることなく響き渡った。相撲人生を支えた関係者一人一人からねぎらいの声を掛けられ、土俵上で座る双大竜の目からは何度も涙がこぼれ落ちた。最後に時津風親方が大銀杏(おおいちょう)を切り落とすと、双大竜は大勢の関係者が詰め掛けた客席に深々と頭を下げた。
 けがが耐えない苦しみの中で真面目に稽古を続け、小柄な体ながら一度も変化しない真っ向勝負を貫いた。「本当にごくろうさまと伝えたい。ゆっくり休んで次の道に進んでほしい」。父の高橋良男さん(72)は、息子の大銀杏にはさみを入れた。
 母成子さん(70)は客席から静かに息子の姿を見守り、「断髪の 子の背にそっと ありがとう」と川柳を詠んだ。「息子のおかげでかけがえのない経験ができた。真正面から戦う姿が頼もしかった」と労をねぎらった。
 断髪式には県内から多くの関係者が詰め掛けた。時津風部屋東京後援会の古内亀義会長(77)=南相馬市小高区出身=は同郷の力士を部屋に入った当初から温かく見守ってきた。断髪式で一番始めにはさみを入れ、「双大竜の相撲は県民の希望だった。第二の人生でも、活躍を期待している」と門出を祝った。
 断髪式であいさつした県相撲連盟名誉会長の門馬秀夫さん(88)=南相馬市=は「彼の礼儀正しさ、何事にも耐え抜く力があれば、これから何があっても乗り越えられるはず」とエールを送った。
 双大竜を応援する福島市民でつくる双大竜田沢会はバスを貸し切り、会員ら約40人が駆け付けた。阿部稔也代表(86)は大銀杏が切り落とされると感極まり涙がこぼれた。「これまで楽しい夢をありがとう」と感謝した。

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