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ジビエ料理で誘客 三島、プロジェクト今春始動

ジビエ料理のプロジェクトの構想を練る(左から)猪俣さん、小松さん、小山さん

 奥会津地方の有志はジビエ(狩猟肉)料理を新たな観光誘客の目玉にするプロジェクトを今年春に始動させる。生態系に配慮した狩猟で鹿や熊など野生動物の食害を抑えるとともに命や食の大切さを伝える。野生鳥獣の肉は東京電力福島第一原発事故に伴い国の出荷制限、県の自家消費自粛が続く。将来的な解除を見通し、準備を先行させる。
 日本の原風景と称される奥会津の山々には熊や鹿、イノシシなどが数多く生息する。「高級食材として珍重されるジビエは観光の呼び水になる」。三島町の早戸温泉にある、つるのIORIカフェ店長で調理師と栄養士の資格を持つ小松今日子さん(45)は、豊かな食材を地域振興につなげられないかと構想を練る。
 出荷制限の解除に向け、できることから準備に入ろうと、第1弾として狩猟で捕らえた獣の解体や食肉加工のできる施設の整備を目指す。今年春にも利用に適した空き家が三島町内にないか調査に乗り出す。
 金山町のマタギ猪俣昭夫さん(67)が協力する。自然との共生を重んじながら40年以上狩りをしている。野生鳥獣のうち、鹿は尾瀬国立公園をはじめ全国的に繁殖数が増えた。奥会津でも10年ほど前から増加傾向にある。樹木などの食害は農作物への被害のほか、土砂崩れの一因となる可能性があるという。
 県によると、野生鳥獣の肉への各種制限解除の見通しは立っていない。猪俣さんは金山町の山中で年間10頭ほどの鹿を捕らえ、町の放射性セシウムの簡易検査を受けている。原発事故直後から10ベクレル前後で推移し、今季測定したものは8~18ベクレルだった。食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超えたことはないという。
 山を守るマタギの後継者育成も中山間地域の課題の一つ。かつて金山町だけで40人ほどいたが、猪俣さんの所属する町猟友会の会員は現在10人で、高齢化も進む。「狩猟肉を買い取ってもらえる仕組みができれば後継者も増えるはず」と期待を寄せる。
 尾瀬国立公園で駆除した鹿革を製品化している南会津町の「おぜしかプロジェクト」の小山抄子さん(53)も加わり、獣の革を使って新たな特産品を開発する予定だ。奥会津の魅力が詰まった新たな地域おこしに関係者も注目している。

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