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夢の原点で復興支える 元Jリーガー西嶋弘之さん

富岡町の原子力損害賠償・廃炉等支援機構福島第一原発現地事務所で働き始めた西嶋さん。Jリーガーの経験を生かしながら福島の復興に全力を尽くすと誓う

 昨季まで17年間、サッカーJリーグのDFとして活躍した西嶋弘之さん(36)=奈良県出身=は今春から、富岡町にある原子力損害賠償・廃炉等支援機構福島第一原発現地事務所で働いている。福島は、プロを志すきっかけとなった「Jヴィレッジ(楢葉・広野町)」がある思い出の土地。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興の力になりたいと、新たな世界に飛び込んだ。
 奈良市の奈良育英高を卒業後、2001(平成13)年にJリーグサンフレッチェ広島に入った。コンサドーレ札幌や徳島ヴォルティスのセンターバックとして活躍し、リーグ戦通算344試合に出場。ギラヴァンツ北九州に所属していた昨年12月に現役を退いた。
 引退後、指導者の道へ進もうとも考えた。しかし、福島第一原発の廃炉に携わる仕事を知り、心が動いた。
 Jヴィレッジは中学3年生の時、全国から選抜された同年代の選手と合宿し、「プロになる」と決意した夢の原点だ。それだけに原発事故後、グラウンドが駐車場になり、荒れ果てた姿をテレビで見て強い衝撃を受けた。「プロの道を現実の目標にしてくれた福島の力になりたい」。思い出の地で第二の人生をスタートさせる決心が固まった。
 着任後は周辺市町村の住民説明会などに出席し、参加者から廃炉に関する意見や考えを聞いている。各市町村の担当者から地域の現状を聞き取り課題解決につなげる仕事も担う。住民説明会では、工程の安全性について厳しい指摘を受けることもある。だが、「早く住民の皆さんと信頼関係を築き、責任を持って正確な情報を伝えていく」と語る。
 サッカーへの情熱も忘れていない。サッカーを通じて被災地の復興を支援する日本サッカー協会(JFA)の「DREAM福島アクションプラン」に参画している。30日にJヴィレッジで開かれた日本代表戦のパブリックビューイングでは、元選手の視点で日本代表の特徴やプレーを解説し、来月に迫ったワールドカップ(W杯)の機運を盛り上げた。
 7月28日にJヴィレッジが一部再開した後は、子どもたちへの指導や、選手時代のつながりを生かしたイベントを企画しようと考えている。「プロの選手だった自分だからこそできることがあるはず。サッカー関連の活動にも積極的に加わり、福島の皆さんを笑顔にできれば」と新たな夢を見据えた。

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