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医療の道切磋琢磨 相馬高、福島医大の同級生研修医

相馬地方の医療に貢献すると誓い、研さんを積む鈴木さん(左)と阿部さん

 相馬市出身で相馬高、福島医大の同級生の男性医師2人が地元相馬市の公立相馬総合病院で研修医として働いている。鈴木健太さん(25)と阿部直人さん(25)で、2017(平成29)年3月に福島医大を卒業した。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後、相双地方の常勤医が減少している現状に直面し、「地元で医療に当たりたい」との思いを強くした。切磋琢磨(せっさたくま)し、古里の医療に貢献すると誓う。
 2人は震災、原発事故が起きた2011年3月に相馬高を卒業した。理数科で3年間同じクラスで、テストでは常に上位を争う関係だった。
 鈴木さんは沿岸部の磯部地区出身。津波で自宅が流されたが、家族は無事だった。新地町の親類宅への避難を経験し、福島医大に入学した。阿部さんは自宅は難を逃れたが、被害を受けた知人らを思い心配な日々を過ごした。震災の影響で福島医大の入学式が約1カ月延期され、2人は5月から医療の道を歩み出した。
 在学中、放射能の健康影響を懸念する県民の声や医師不足など本県が直面する課題に向き合い、「故郷で医療に従事するのが自分たちの使命」と決心した。鈴木さんについて阿部さんは「努力家で尊敬している。知っている人が近くにいてくれて心強かった」と話し、鈴木さんも「つらい時、相談に乗ってもらい助かった」と阿部さんに感謝する。
 福島医大を卒業し昨年4月、公立相馬総合病院に入った。同病院は2013年から臨床研修医の受け入れを始めた。相馬高の卒業生が研修医として勤務したのは2人が初めて。病院関係者は「同時に2人も地元の病院を選んでくれてありがたい」と話す。
 現在は内科、外科、産婦人科、精神科、皮膚科など幅広い診療科目で経験を積んでいる。同病院にない診療科目については福島医大や東北大に2カ月程度滞在し研修している。来年4月からは専門医を目指し後期研修に入る。2人とも一度は相馬を離れる見通しだが、将来は地元に戻って診察したいとの思いを抱く。
 相馬地方の医療の現状について阿部さんは「どこの医療機関も人材が限られ、ぎりぎりの状態で患者に対応している。人的余裕があればより良い医療を提供できる」と話す。鈴木さんは「急性期医療を担う医療機関として医師、看護師、放射線技師らが圧倒的に足りない」と憂慮する。
 こうした状況を踏まえ、阿部さんは「相馬の医療をサポートできるよう技術を磨きたい」、鈴木さんは「将来、現状が大きく好転することは難しいだろうが、1人の医師として古里に貢献したい」と研さんを誓う。
 県によると、相双地方の病院の常勤医師数は震災、原発事故以降、大幅に減少した。年々回復しているものの、4月1日現在の医師数は79人で、震災前の2011年3月1日時点に比べ41人減となっている。

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