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真心の花、会場彩る 県内高校生が栽培 全国植樹祭

ベゴニアとガザニアを丹精込めて育てた井島さん(右から2人目)ら相馬農高生産環境科の生徒

 10日に南相馬市原町区雫(しどけ)地区で開催される第69回全国植樹祭のメイン会場は8日、準備がほぼ整った。会場周辺は南相馬市の相馬農高、鏡石町の岩瀬農高、福島市の福島明成高の生徒が心を込めて育てた花で彩られ、全国からの来場者を出迎える。「復興への感謝を伝えたい」「来場者に幸せな気持ちになってもらえれば」。生徒たちはさまざまな思いを花に込めながら本番を待つ。

■級友とおもてなし 相馬農高・井島梓さん
 相馬農高生産環境科の1~3年生88人は3月下旬から、原町区の同校雲雀ケ原農場のビニールハウスでベゴニアとガザニアのプランターを育ててきた。花の水やりや手入れに取り組んできた3年生の井島梓さん(17)は「多くの人の目に留まるよう、苗の配置に気を配り、見栄えがするようこだわった」と出来栄えに自信を見せる。
 井島さんは市内小高区大井地区出身。農家の祖父母が趣味で花を育てており、幼い頃から花に囲まれて育った。自宅の庭にはバラやツバキなどが美しく咲き誇っていた。友人関係がうまくいかず悩んでいた時も、その力強い姿を見ると勇気が湧いた。
 東日本大震災の津波で自宅が全壊し、東京電力福島第一原発事故に伴う避難で今も家族と一緒に市内鹿島区の仮設住宅での暮らしを余義なくされている。「自分を元気づけてくれた花について勉強したい」と同校に進学。花などの栽培農家になる夢の実現に向け日々勉強に励んでいる。
 植樹祭の会場を級友たちと育てた花で飾ることができて光栄に感じている。「きれいな花で来場者をもてなし、これまでの復興支援に感謝の気持ちを伝えたい」と目を輝かせた。

■鮮やかな色で歓迎 福島明成高の2、3年生
 福島明成高は、生物生産科の2、3年生約160人が丹精込めてベゴニアの花を育てた。生徒たちは「花を見た人が喜んでくれるとうれしい」と笑顔を見せる。
 一月ごろから種をまき、全員で協力しながら水や肥料やりなどこまめに世話し、見事な花を咲かせた。南相馬市原町区のメイン会場だけでなく、PR会場となるJR福島駅とJR郡山駅などにもプランターが飾られ、全国から訪れた関係者を赤や白、ピンクの色鮮やかな花で歓迎する。
 3年生の小林彩花さん(17)と長根春菜さん(17)は「多くの参加者に自分たちの花を見てもらえると思って頑張った。植樹祭をきっかけに、おいしい果物など福島の魅力もたくさん味わってもらえれば」と期待した。

■「来場者を幸せに」岩瀬農高・渡辺優翔さん
 岩瀬農高では、園芸科学科草花専攻班の3年生10人がブルーサルビアや紫のペチュニアなど5種類の花の栽培を担当した。生徒たちは「立派に花が咲いた。自信を持って会場に送り出せる」と胸を張る。
 班のメンバーの一人、渡辺優翔(ゆうと)さん(17)の家族は、約300年の歴史がある須賀川市の花の名所「大桑原つつじ園」を経営している。東日本大震災後は来園客が落ち込んだ。しかし、美しい花を見てもらいたいと園の手入れに1日中、汗を流す父の久記さん(43)の姿に憧れ、後を継ごうと決意している。「きれいな花を咲かせて観光客を呼び込み、復興の力になりたい」との目標を掲げる。
 植樹祭に合わせて見頃となるよう枯れた花を摘んだり、涼しい日陰に苗を移したり、仲間と協力して世話をした。渡辺さんは「花は人を笑顔にできる。自分たちが育てた花で、全国から訪れた人に幸せな気分になってほしい」と願っている。

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