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絆強めにぎわいを 葛尾で復興交流館「あぜりあ」開所

復興交流館で関係者とイベントの打ち合わせをする松本さん(右)

 葛尾村が復興のシンボルとして村役場近くに整備を進めてきた村復興交流館は16日、開所した。公募で決めた愛称は村の花ツツジの英語読みを平仮名にした「あぜりあ」。村は東京電力福島第一原発事故の避難に伴う帰還困難区域以外の避難指示が解除され、12日で2年を迎えた。関係者は「村を訪れる人が一層増え、地域が活気づく拠点にしたい」と意気込んでいる。

 「開所は復興に向けた大きな一歩になる。これからが正念場」。村復興交流館を運営する葛尾むらづくり公社事務局長の松本松男さん(61)は表情を引き締める。
 昨年春に定年退職するまで村職員として42年間勤務し、総務課長や復興推進室長などを歴任した。2011(平成23)年の原発事故で自身も福島市や三春町などに避難した。「未曽有の被害を受けた古里のため、考える暇もなく働いた」とこの7年間を振り返る。
 復興推進室長時代の2016年度に整備に関わった交流館に今後、運営側で携わる。「施設を村民同士が絆を強める活動に活用する。村で復興支援活動などに励む大学生ら村外の人にも使ってもらい、地域ににぎわいを創出する」と張り切る。
 村民も活性化に期待を寄せた。田村市船引町に避難している大山サト子さん(80)は「落ち着いた雰囲気の施設。多くの人が利用したくなると思う」と目を細める。村内にあった実家は「百石の家」の愛称で親しまれた築200年以上の古民家だった。東日本大震災と原発事故で解体され、廃材は交流館の梁(はり)などに活用された。「こうして家の一部が残ってありがたい」と慈しむように壁に手を触れた。「避難先でカラオケクラブに所属している。機会があれば交流館を使いたい」と笑顔を見せた。

 交流館は木造平屋一部2階建てで、建築面積約935平方メートル、延べ床面積約880平方メートル。総工費約4億6000万円。主に国の交付金を活用した。4つのスペースがあり、会議や演奏会、展示会、希望者による期間限定の出店などに使用できる。申請すれば、スペースを有料で貸し切れる。同公社は今後、村内外の団体や教育機関などに利用を呼び掛ける。
 利用時間は午前9時から午後5時まで。火曜日休館。問い合わせは村復興交流館 電話0240(23)7767へ。

■新生児祝う椅子贈る

 交流館開所に合わせ、村は村の新生児に世界で1つだけの椅子を贈る「君の椅子」プロジェクトの第1回贈呈式を行った。篠木弘村長らが今年誕生した赤ちゃん3人に引き渡し、将来を担う子の誕生を村全体で祝った。
 椅子には名前や生年月日が記され、「生まれてきてくれてありがとう。君の居場所はここだよ」との思いを込めている。
 3人は佐久間哲次さん(42)、愛美さん(38)夫妻の第四子で3月に生まれた次男栞吏(しおり)ちゃん、新開克己さん(27)、由香さん(27)夫妻の第一子で4月に生まれた長女美桜(みお)ちゃん、菅野良平さん(27)、怜奈さん(27)夫妻の第二子で4月に生まれた長男慶(けい)ちゃん。
 新開さん夫妻は「第一子で第1号。いい記念になる」と声をそろえた。三春町に避難しており、環境が整えば村に帰りたいという。交流館には遊具も整備される予定で、克己さんは「子どもがいる家庭も利用できる。幅広い年代が集まる施設になってほしい」と願った。

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