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戊辰舞台いざ決戦 若松で第5局前夜祭

前夜祭で鏡割りをする関係者

 戊辰戦争150年にちなみ、ゆかりの地を巡ってきた第73期本因坊戦七番勝負が「最終地」会津にたどり着いた。会津若松市東山温泉の「原瀧」で29日夜開かれた第五局の前夜祭で、本因坊文裕(もんゆう)=井山裕太七冠(29)=と挑戦者の山下敬吾九段(39)は大一番に臨む意気込みを披露。前夜祭に先立ち、両棋士は飯盛山で白虎隊士を慰霊し、城下町の歴史に思いをはせた。

 前夜祭の対局者決意表明で先にマイクを握った山下九段。会津らしく「什(じゅう)の掟(おきて)」を話題に取り上げ「井山さんは弱い者をいじめてはなりません。明日からの対局は、内容的にはいい戦いにして、結果はこちらに」と会場を笑いに包んだ。
 山下九段にとって本因坊戦での会津は験がいい。2012(平成24)年の第67期本因坊戦第三局では今回と同じ今昔亭で文裕と対局した。シリーズは大接戦となり、文裕が4勝3敗でタイトルを奪還したが、会津では山下九段が勝利している。
 今期は第四局までを終えて文裕が3勝1敗とリードしているが、山口県萩市での開幕戦で勝利し先制パンチを浴びせた。文裕の挑戦手合連勝記録を「十七」で断ち切り、歴史に残る七番勝負を予感させる。第二局以降も碁の内容が高く評価されており、城下町対局を反転攻勢の足掛かりにする構えだ。
 先番がユーモアの妙手を放てば、柔らかく受けるのが「井山流」。「いろいろプレッシャーをかけられているが、第五局で勝てば自分がうれしいし、負ければ(対局が続くので)皆さんがうれしい。気楽かもしれない」と笑いを誘った。
 今年2月に囲碁界初の国民栄誉賞を受賞した井山七冠。雅号の「文裕」は、2016年6月に福島市穴原温泉「吉川屋」で行われた第71期本因坊戦第五局で勝利して五連覇を達成し「永世本因坊」の資格を得たのを機に名乗るようになった。「文」は「文殊菩薩」からの採用で「大きな知恵をいただいて、囲碁を囲碁道に発展させてほしい」という願いが込められている。
 この日のあいさつでは、囲碁界の第一人者らしく「厳しい戦いになるが、納得のいく碁を打ちたい」と最後を引き締めた。

■復興の一助に 両棋士鏡割り

 前夜祭には約100人が出席し、戊辰戦争150年にちなんだ本因坊戦が会津の文化振興、県内復興の一助となることに期待を膨らませた。
 主催者あいさつで、広田勝己毎日新聞社取締役は「戊辰150年で企画した会津と萩の短歌交流事業が懸け橋になれば」と開催の意義を強調した。宮崎龍太郎日本棋院常務理事は父親が浪江町出身で、26日の日本棋院理事会で常務理事に選出されたばかり。「囲碁熱が高い会津で常務理事としての初仕事ができてうれしい」と笑顔をのぞかせた。坂井秀至(ひでゆき)関西棋院理事は「現囲碁界最高のカード」と第五局に期待感を示した。
 渡部友和大和証券福島支店長があいさつし、佐久間弘元県会津地方振興局長が祝辞、室井照平会津若松市長が歓迎の言葉を述べた。
 全国新酒鑑評会で金賞受賞数6年連続8度目の「日本一」に輝いた本県。会津は酒どころであり、両棋士を囲んで鏡割りを行った。高橋雅行福島民報社社長は乾杯の発声で「戊辰150年にまつわるさまざまな巡り合わせに感動している。福島県、会津を囲碁の聖地に」と語った。
 席上、福島民報社は両棋士に記念品として10年連続で全国新酒鑑評会金賞を受賞した名倉山酒造(会津若松市)の鑑評会出品酒を贈った。両棋士には今昔亭から記念品や花束も贈られ、県内の囲碁ファンらと記念撮影に納まるなど交流を深めた。
 立会人の片岡聡九段らが紹介され、それぞれ対局の見どころなどを語った。阿部光裕県囲碁連盟会長が中締めのあいさつをした。

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