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相馬地方3首長現況、見通し語る

 福島民報社は28日、東日本大震災への対応で現地に残り、被災者救援や地域の復興に取り組む桜井勝延南相馬市長と立谷秀清相馬市長、菅野典雄飯舘村長にインタビューし、各市村の現状や課題、国などへの要望を聞いた。(聞き手 取締役編集局長・浜津 三千雄)

■桜井勝延南相馬市長 国と東電は復興支援を 
 -今、一番困っていることは。
 「福島第一原発の事故で、事態が深刻化しているのか、沈静化しているのかが判断できない。市民や事業者は放射線量が低いという理由で戻り始めているが、情報がなく市民に安全宣言が出せない」
 -国への要望は。
 「原発災害を一日も早く抑え込むことだ。避難者に対しては国と東京電力が全面的に支援するべきだ。復興のためには三十キロ圏内の屋内退避指示の撤廃が不可欠。でなければ屋外で活動しても健康に問題はないことを保証してほしい」
 -市の復旧はどのように進めていくか。
 「原発事故が終息する方向性が見えない現状では、避難計画と再生計画を同時に進めていくしかない。物流が停滞している中でも、各事業所の努力でコンビニエンスストアなどが徐々に営業を再開し、復興への息吹となっている。官房長官の(自主避難を促す)発言は市の経済復興に水を差した」
 -市外の避難者への支援は。
 「福島市や新潟県、群馬県など市民が避難している自治体に職員を派遣し、避難者の要望を直接聞く。各自治体の好意にも甘えさせていただきながら、市としても柔軟に対応していく」

■立谷秀清相馬市長 仮設住宅が一番の問題 
 -震災から十八日目。復興に向け一番困っていることは何か。
 「住居の問題だ。避難所生活からプライバシーのある暮らしに戻したい。一部はアパートなどに入った。ただ仮設住宅の建設には時間がかかると聞いている」
 -どのぐらいの人数を見込んでいるのか。
 「すでに四百人は新しい住宅に入居した。あと三千五百人から三千六百人は対応しないといけない。そうしないと学校など教育の現場に避難者がいるため、学校教育に大きな支障が出てくる」
 -中・長期的な展望は。
 「最終的に(被害が甚大だった)磯部や原釜などの生活をどうするかが課題。もう一つは産業の問題だ。津波と原発の両方の影響が出ている。不確定要素が多すぎて今の段階で読めない。解決は相馬市だけではできないので国、県の協力を得ながら長期的なプランを考える」
 -医療態勢は。
 「東京医大から医師二人が来るなど走りだしている。東京女子医大の協力も得た。近隣市町村についても相当支援していると思う」
 -原発問題についてどう考えるか。
 「早く終息するよう国と東京電力には頑張ってほしい。今はそれしか言いようがない」

■菅野典雄飯舘村長 原発が不安かき立てる
 -どのような悩みがあるか。
 「災害に軽重はないが、原発災害は目に見えず、住民の不安をかき立てる。ここに住んでいないと感じられないことだ」
 -高い放射能の数値が出ているが。
 「大気に次いで水、次は土壌。報告もないままに数値が出され、一番高いのは常に飯舘だ。何カ所か調査しているのに、一番高い数値だけ発表し、フォローがない。情報公開には賛成だが気配り、心がない。早く原発をなんとかしてほしい」
 -村は自然、環境を生かした日本で一番美しい村づくりを進めていたが。
 「やってきたことが足元から崩れていく。自主避難した村民が戻り始めているのはうれしいが、危険と背中合わせに-との思いがある。考え、悩み、夜も眠れないことがある。強制退去になれば、村が消滅する。村民は村を出ても働く場がない。進出企業も戻らないだろう。どれだけのリスクを背負うか、先が見えない重い十字架を負った」
 -村民は頑張っている。
 「村と行政区、消防団の連携がよく、区長さんらが動いてくれる。職員も必死だ。次の世代に村を引き継ぐのがわれわれの務めで、音は上げられない」

カテゴリー:福島第一原発事故

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