東日本大震災

  • Check

福島で放射能高い数値 4号機爆発や雨要因 保安院会見

インタビューに応じる山下氏(左)。右は高村氏

 経済産業省原子力・安全保安院は19日、福島市で記者会見し、同市の放射能測定値が県内の他地域に比べ高い数値で推移していることについて、15日に起きた福島第一原発4号機の爆発が要因とする見解を公表した。
 保安院によると、福島市では15日午後5時、1時間前と比較し約12倍の20・26マイクロシーベルトが測定された。同日午前に4号機の爆発で飛散した放射性物質が福島市上空に達し、降雨により地上に落下したため数値が急上昇した。ただ、放射能は現在、通常より速いスピードで減少期に入っているという。
 国の原子力委員会が定めた防災指針では、一定期間内に10ミリシーベルト以上の外部被ばくが予想される場合、屋内退避の基準に該当する。福島市では一カ月程度で基準を超える可能性がでているが、測定値が低下しているため緊急に対応する必要性は低いとしている。

■「まったく心配ない」専門家強調
 県放射線健康リスク管理アドバイザーに委嘱された世界保健機構(WHO)緊急被ばく医療協力研究センター長の山下俊一氏(58)=長崎大大学院医歯薬学総合研究科長=と元WHOテクニカルオフィサーの高村昇氏(42)=同放射線疫学分野教授=は19日、福島市の県災害対策本部で報道各社のインタビューに応じた。

 山下氏は現在、福島市で放射線量が他市町村より高い数値を記録し、水道水から放射性物質が検出されていることについて、放射性ヨウ素の半減期が8日であることや実際に体内に取り込む量が極めて少ないことから「健康にはまったく心配ない」と強調した。

 福島市で数値が高くなっていることついては「放射能は均一に広がるものではなく、気象条件や地形によって変わってくる」と述べた。

 また、チェルノブイリで20年間活動してきた経験やデータを基に、屋内退避エリアを20〜30キロ圏内とした国の指示を「妥当な判断だった」との考えを示した。一方、「県民にもっと早く情報を提供すべき」と、国の情報公開の遅さも指摘した。

■西側ほど低く 県北の放射線量
 県は19日、放射線量の高い県北地方で同日実施した測定結果を公表した【表(1)】。

 福島市のほぼ中心部に位置する五老内町の市役所で1時間当たり9・37マイクロシーベルトが検出された。同市成川の東北自動車道福島西インターチェンジで5・89マイクロシーベルト、同市荒井のふくしま自治研修センターで2・54マイクロシーベルトと西側に行くに従って、数値が低くなる傾向を示した。

 川俣町の山木屋郵便局は12・8マイクロシーベルトとなった。

■19日の県内測定値「健康に影響なし」
 県が県内七方部で行っている放射能常時測定調査の19日の数値は【表(2)】の通り。福島市は午前4時に1時間当たり10・60マイクロシーベルトが検出されるなど終日10マイクロシーベルト前後を記録し、平常値の0・04マイクロシーベルトを上回った。

 福島第一原発から20〜30キロの六地点で行った調査では、飯舘村で午後一時に22・7マイクロシーベルトを記録した。県は「健康に影響を与える数値ではない」としている。

■ 福島市の水道水微量のヨウ素検出
 福島市の水道水から放射性物質の放射性ヨウ素と放射性セシウムが検出された問題で、県災害対策本部は19日も検査を実施した結果、微量のヨウ素を検出した。

 同日午前8時に福島市の原子力センター福島支所の水道水を採取し分析したところ、水一キロから33ベクレルのヨウ素を検出。国が定める飲料水一キロ当たりのヨウ素の摂取基準300ベクレルを下回っており、県は安全上問題はないとしている。セシウムは検出されなかった。

■きょう南東の風 原発付近
 19日の県内は、高気圧に覆われ各地で晴れた。日中気温が上がり、4月上旬並みの暖かい1日だった。

 福島地方気象台によると、20日は前線や低気圧の影響で、曇りや雨の所が多い見込み。福島第一、福島第二原発付近の浜通り中部は、南東の風3〜5メートルが吹く見通し。

東日本大震災の最新記事

>> 一覧