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家、公共施設の倒壊多数 仮設住宅設置など急務 須賀川鏡石、矢吹

1階部分が完全につぶれた橋本組(左)。市街地では建物の解体作業が進む=須賀川市、28日午前11時ごろ

 中通りで最大の震度6強に見舞われた須賀川市と鏡石町、6弱の矢吹町。須賀川市は市内各所、両町は旧奥州街道沿いを中心に家屋や公共施設が多数破壊された。東北自動車道で見ても、同エリア内の修復箇所が多く、衝撃のすさまじさを物語っている。

■被災地ルポ
 家屋損壊や路面の破損、隆起が激しい須賀川市南上町の住宅街。日中、被災者が避難所から戻り、自宅の後片付けに追われていた。住民が路上に集まり、これからの生活について語り合う姿も。家屋が斜めに傾いた無職男性(67)は「依頼した修理業者はいつ来てくれるのか...。いつうちに住めるようになるのか」と途方に暮れた。

 災害対策本部によると、須賀川市は全半壊149戸、一部損壊175戸。鏡石町は全半壊250戸、一部損壊1095戸、矢吹町は全半壊286戸、一部損壊2135戸に上る。被災した家屋は両町内の場合、それぞれ全世帯の3割を超える。

 橋本克也市長は「地震による建物被害だけを見れば、須賀川・岩瀬地方は県内ワーストの打撃ではないか。建物倒壊による犠牲者が少なかったのが奇跡的」と語る。

 住まいを奪われた住民にとっては、空いている雇用促進住宅への転居や仮設住宅設置が急がれている。

 須賀川市加治町にある橋本組の二階建てビルは、一階が押しつぶされた状態で倒壊した。一階にいた従業員二人はすぐさま避難、三人の従業員が残っていた二階がそのまま落下したという。五人とも無事だったが、橋本和直社長は「三人が一階に移動していたらどうなっていたか...」と声を震わせた。近くにプレハブの事務所を設け、同じ被災者としての気持ちをくみ取りながら解体工事や補修相談に当たっている。

 呉服屋を営む堀江祐介須賀川商店連合会長は散乱した商品を整理しながら、「10、20年の期間でまちづくりを一から見直さないといけない」と話した。中心市街地で通常営業している店は数えるほどだ。

 公共施設の損壊も深刻だ。市役所は倒壊の恐れから解体が決まった。現在、窓口業務を行っている市総合福祉センターも倒壊の危険性が指摘されている。行政機能は七施設に分散せざるを得ない。鏡石町と矢吹町は旧国道沿いの道路の陥没や建物の倒壊、塀の崩れなどが目立っていた。(須賀川支社長・荒木英幸、同支社・加藤元気)

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