東日本大震災

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対応遅れ批判、先送り不満 賠償金仮払い

 原発事故で被災した中小企業への賠償金仮払い実施に向けた協議会の16日の初会合で、仮払いの道筋が固まった警戒区域内などの事業者からは対応の遅れを批判する声が上がった一方、算定基準に対する要望などが相次いだ。先送りされた形の区域外の企業は、風評被害の実情などを訴え、早期の対応を求めた。

 「遅い。ようやく動きだしたか」。浪江町商工会長の松崎俊憲さん(67)は避難先の栃木県那須塩原市で仮払い協議開始の知らせを聞き、憤った。

 松崎さんは昭和26年創業の老舗印刷会社の会長。昨年12月に数100万円をかけて老朽化した機械を更新した矢先、震災と原発事故に見舞われた。職場を奪われ、借金を返済する手だてがない。「多くの商工業者が資産や機械を被災地に残し途方に暮れている。早期の仮払いはせめてもの心の救いだ」と仲間の気持ちを代弁し、「今すぐ現金が必要な会員も多い。速やかに対応してほしい」と望む。

 ただ、景気がずっと右肩下がりだっただけに、「直近の売上高だけを算定基準にすると、大変な事業所も出てくる。過去3年間の売上高の平均額を算定基準とするよう東電などに求めたい」と語った。

 南相馬市原町区で材木店を営む男性(69)は福島第一原発から30キロ圏内の南相馬市や、全村が計画的避難区域の飯舘村に山林を所有する。

 放射線量が高いことから、震災前に切り出した木材をそのまま放置している。切り出した木材は3~4カ月以内に出荷しないと商品価値が落ち、価格が付かなくなる心配がある。さらに仕事の9割を占める国有林の間伐は、30キロ圏内などでの作業が原発事故でストップし、これまでに1千万円の損害が出ているという。

 「これまでの被害を賠償してもらうのはもちろんだが、いまだに原発事故は終わりが見えず、どれだけ被害が広がるのか分からない。一回だけでなく、継続的な支払いを求めたい」と語気を強めた。

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