東日本大震災

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「豚9割死んだ」 小高の養豚業者、怒りに震える

生き残った豚は十分な食料がなく痩せこけていた=11日、南相馬市小高区

 県養豚協会(中野目正治会長)は20日、福島第一原発事故の影響や補償問題への対応などを協議する初会合を郡山市で開く。警戒区域の南相馬市小高区吉名で養豚業を営んでいた林芳久さん(48)は会合を前に今月11日、市の許可を受けて自宅に戻り、豚の状況を確認した。飼っていた約1400頭の9割は死んでおり、生き残っていた豚も痩せ衰えていた。「どうしてこんなことに...」。やり場のない怒りに震えた。

 養豚業は親から受け継いだ。震災前は母豚130頭を含め、約1400頭にまで経営規模を拡大し、年間売り上げを1億円程度に伸ばした。

 4月22日に警戒区域に指定されるまでは避難先の郡山市の親類宅から数回通って給餌や畜舎清掃に当たった。しかし、指定後は全く様子をつかめなかった。

 「生きているだろうか...」。わずかな期待を抱いて足を踏み入れた畜舎では、信じがたい光景が広がっていた。おびただしい数の子豚や母豚の死骸が横たわっていた。生き残っていた豚は70頭ほどで、いずれも骨が見えるほど痩せ細っていた。

 市から許された滞在時間はわずか3時間。何の手だてを講じることもできなかった。

 「可能なら、また小高に戻って養豚をしたい」との希望は捨てていない。ただ、先を見通せず苦しむ。

   ◇   ◇

 県養豚協会はJAの関連団体に加入している会員と非加入の会員で構成している。事務局によると、警戒区域内では10軒の養豚農家が計3万頭余りを飼育している。残っている豚はいずれも厳しい環境下にあるという。

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