東日本大震災

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車両持ち出し予行演習 修理時間や線量確認 作業に限界

予行演習で20キロ圏内からJヴィレッジに持ち出され、訓練で除染される公用車=17日午後2時55分ごろ

 政府の原子力災害現地対策本部は17日、福島第一原発から半径20キロ圏内の警戒区域に指定された楢葉町と富岡町で車両を持ち出す予行演習を行った。公用車を使って修理に要する時間や放射線量などを確認した。対策本部は住民の要望を踏まえ今月下旬の持ち出しを目指しているが、時間制限があるため、修理が難しい車両は持ち出せないなどの課題が浮かび上がった。
 予行演習には対策本部の他、警戒区域の自治体のうち、南相馬、楢葉、富岡、大熊、双葉、川内の六市町村の職員、県警本部、日本自動車連盟(JAF)などから計32人が参加した。中継基地となった広野町中央体育館に集合した後、防護服などを着用し、バスで移動した。富岡町役場から消防車1台、楢葉町役場から消防車1台、軽トラック2台を持ち出すため、バッテリーの復旧に要する時間を計った。
 持ち出し後は楢葉町の道の駅ならはでスクリーニングを行った。この日の車両の放射線量は最大で14000カウントで特に除染の必要はなかったが、Jヴィレッジで除染の訓練も行った。
 実際の持ち出しについては、川内村が6月1日の実施に向けて調整している。持ち出しの希望者が多い自治体は一時帰宅受け付けセンターで集約し、日程を調整する。

■滞在2時間、作業に限界

 予行演習では、移動も含め5時間程度の限られた時間で車を修理し、持ち出すのは容易ではなく、車を整備する人員の確保も課題になることが分かった。政府の原子力災害現地対策本部は対象市町村などと協議し、早急に対策を講じる。
 対策本部によると、参加者は当初、楢葉町で別の公用車を持ち出す予定だったが、タイヤがパンクしており、修理に時間がかかるため、運び出しを見送った。移動を除く実質的な滞在時間は2時間程度で、作業には限界があるという。
 対策本部は「全体の作業上、修理が困難な車は当面、置いたままにするしかない」との見方を示した。さらに、車の持ち出しと一時帰宅とは別の日程とし、一度に持ち出す台数も数10台程度にとどめる方針だ。
 参加した自治体の職員は「津波被害を受けた車もあるため、本番はかなりの整備人員が必要になると感じた」と話した。運転中に防護服のフードで視界が狭くなるなど安全面の課題も指摘した。

■両町長実施へ期待

 車両の持ち出しについて、富岡町の遠藤勝也富岡町長は「多くの町民が希望している。予行演習で出た課題を解決し、一日も早く実現してほしい」と求めた。
 楢葉町の草野孝町長は「仕事、買い物、通院など日常の生活に自家用車は不可欠。一世帯2、3台が当たり前の現代生活に少しでも戻れるよう、迅速に実施してもらいたい」と話した。

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