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罹災・被災証明の申請急増 「復興業務に支障」の声

罹災証明の申請手続きを待つ市民ら=19日午後4時ごろ、郡山市のミューカルがくと館

 東日本大震災や原発事故の被災者に市町村が発行する罹災(りさい)証明書や被災証明書の申請が県内で急増している。被災地支援のため20日から、被災者の高速道路利用の無料化がスタートすることが背景にあるとみられている。19日だけで、郡山市で約850件、福島市で約630件の申し込みがあった。連日、住民が申請窓口に行列をつくり、職員や窓口を増やすなどの対応に追われる自治体も。一方、証明書の交付基準が県内の自治体で統一されていないなど制度の課題を指摘する声も出ている。

■「復興業務に支障」の声
 福島市役所の罹災証明書の窓口では19日、午前8時半の受け付け開始前から市民が列をつくった。高速道路無料化を踏まえて申請に来たという市民が多く、申請者の波は一日中途絶えることはなかった。
 同市の罹災証明書発行件数は5月、1日当たり40件前後で推移していた。ところが国土交通省が6月8日に、高速道路を無料で通行する際に罹災・被災証明書の提示が必要と発表した。翌日から1日当たり100件を超える日が続くようになる。5月末まで3,132件だった累計は、6月19日には7,019件を数えた。
 村上敏通市情報管理課長は「6月に入ってから地震でストーブがへこんだなどで、申請する人もいた」と話す。申請に訪れた市内の会社員男性(54)は「来週末に秋田県に旅行に行く予定。通常料金は高いので証明書は助かる」と自宅の基礎部分の被災を理由に交付を受けていた。
 郡山市の受付窓口があるミューカルがくと館も連日、申請者の列が途切れない。郡山市は当初、職員3人で罹災証明書の申請を受け付けていたが、急増する申請者に対応し、窓口の職員や誘導員ら約30人体制に増員した。市の担当者は「復興業務が本格化する中で、大きな負担になる」と本音をもらした。
 白河市は20日から高速道路利用が目的とみられる申請をする市民のための専用窓口を新設する。担当者は「家屋全壊など日常生活に影響があるような被害を受けた人が長時間待たないようにするには窓口を分けたほうがいい」と語った。窓口担当を一人増やした相馬市の担当者は「通常業務に支障が出ている。証明書ではなく、エリアごとに無料化の実施を決めてほしかった」と訴えている。

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