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今を生きる 復興へじゃんがら踊り 久之浜・大久の継承会

練習日程などを話し合う久之浜大久自安我楽継承会の会員

 東日本大震災で多くの犠牲者を出したいわき市久之浜町。久之浜町と大久町でじゃんがら念仏踊りを継承する久之浜大久自安我楽継承会は今年、特別な思いで練習に励んでいる。21歳から45歳までの会員23人は、精いっぱいの踊りで犠牲者らの霊を慰めようと心を1つにしている。

■地域の絆守りたい 来月の供養に向け練習
 震災では家族や親戚を亡くしたり、踊り手らの心をつないでいた、浴衣、鉢巻き、鉦(しょう)、足袋などを自宅ごと津波にさらわれた会員もいた。さらに踊りを盛り上げる太鼓を保管していた倉庫も流された。十数人は現在も地区外で避難生活を余儀なくされている。
 「今年のじゃんがらは無理か」。会員の間に落胆が広がる中、震災から1カ月後の4月中旬、倉庫があった場所から50~100メートルほど陸地側で太鼓が相次いで見つかった。
 仲間と地域の絆を守るため事務局の建具・家具製造業遠藤諭さん(35)らが仲間と連絡を取り合った。今月13日、大久町で久しぶりに会員が顔を合わせた。半数にも満たない10人程度だが奇跡的に見つかった太鼓を囲み会話は弾んだ。17日から練習を始める予定。週に3、4回行い、今年は参加できる少数の会員で取り組むことにした。
 例年ならば新盆を迎える家庭を回るが今年は震災を考慮し、8月13日から15日にかけて地区ごとに数カ所で踊る。また8月14日の地区合同供養にも参加する。
 遠藤さんらによると久之浜町には戦後、じゃんがらの団体があったが一時途絶えた。その後、地域の要望に応え平成16年、遠藤さんらが中心になり数10年ぶりに久之浜大久自安我楽継承会を復活させたという。
 戦後、じゃんがらに携わった80代の"先輩"から指南を受けたこともある。「地域に育てられ見守られながら復活できた。感謝の気持ちを込めて震災の傷を少しでも癒やしたい」と遠藤さん。じゃんがらを通して仲間の絆を深め古里復興に貢献することが自分たちにできる地域への恩返しだと感じている。

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