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8月にも流通品抽出検査 県、二重化で確認強化 

 放射性セシウムに汚染された福島県産牛肉が市場に流通していた問題を受け、県は新たに県産農水産物と加工品の流通品に対する抽出検査を8月にも開始する方針を固めた。出荷前の農水産物のモニタリング調査と合わせた二重の検査態勢を敷き、食の安全確保と風評被害の拡大防止に努める。国の暫定基準値を超える流通品があった場合は生産者や加工者の情報を公表する考えだ。
 県外に流通している県産農水産物や加工品の検査は国や各都道府県に協力を要請する方針。ただ、検査機器や検査に当たる人員を各自治体で確保できるかは不透明だ。
 基準値を超える放射性物質が検出された場合、再発防止と消費者の不安解消のためには経緯を綿密に調べる必要がある。事実を速やかに公表する一方で、風評被害を招かない情報提供の在り方も大きな課題になる。
 流通品に対する放射性物質検査は県内で生産された野菜・果物、食肉、乳製品、水産食品、加工食品などを対象にする。専用のゲルマニウム半導体検出器5台程度を国から借りたり、独自に購入したりして県北、県中、県南、会津、南会津、相双の6保健福祉事務所管内ごとに配備する。
 各事務所は(1)流通量が増加している農産物(2)暫定基準値を超えたことがある農産物と、この農産物を材料にした加工食品(3)放射線量の高い地域(4)過去に食品衛生法に違反した業者-などのデータを基に調査計画を作る。食品衛生監視員が県内のスーパーや卸売市場、食品製造業者などを抜き打ち形式で調べる。
 野菜や果物、水産物などは季節ごとに出荷量が多い種類を中心に選ぶ。加工品は県産の農水産物や果物を使った漬物、ジュースなどを想定している。6事務所で年間計数百件の検査を目指す。
 暫定基準値を超える放射性物質が検出された場合の措置は食品衛生法に基づき実施する。生産者や加工者の情報を速やかに公表して回収を指示する一方、消費者に注意を促す。
 中核市の郡山、いわき両市は県の検査の対象とはならないことから、依頼を受けて検査、分析する態勢を組む。
 県内の農水産物は県の事前のモニタリング調査で暫定基準値を超えた場合、出荷が制限される。このため、市場に流通している食品は安全性が確認されている。
 しかし、出荷制限中だった農作物が誤って流通したケースも過去にあった。県は県産牛の放射性セシウム問題による風評被害が他の農作物に拡大する懸念があるとし、流通品にも調査の範囲を広げ、安全に万全を期す必要があると判断した。

カテゴリー:福島第一原発事故

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