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放射性の汚泥を地元に埋設 県が方針、市町村内の処分場を想定

 放射性物質を含む下水処理場の汚泥問題で、福島県は施設内に仮置きされた汚泥の処理を受益市町村内の処分場で進める方針を固め、27日までに一部自治体と協議に入った。基本的に地元での処分を目指し、困難な場合は県の各地方振興局管内に範囲を広げて対応する考え。処分先が決まらないまま汚泥がたまり続ける現状を早急に打破する狙いだが、市町村から反発も出ており、協議が難航する可能性もある。
 県内には県管理と市町村管理の下水処理場が計62カ所あり、施設内に仮置きされた汚泥は合わせて約6000トンに上る。環境省は下水汚泥に含まれる放射性セシウムの濃度が8000ベクレル以下の場合、埋め立て処分を可能としており、県はこの基準に沿って圏域内の処分場への埋め立てを推し進める考え。
 県が管理する県北浄化センター(国見町)県中浄化センター(郡山市)あだたら清流センター(二本松市)大滝根水環境センター(田村市)の4施設については順次、地元自治体と協議を進めている。田村市からは既に了承を得て市内の一般廃棄物処分場への運び込みを再開した。
 県北浄化センターについては、センターに集まる汚泥の8割を占める福島市分を同市の一般廃棄物処分場に持ち込み、伊達、国見、桑折の3市町から出る残りの二割を伊達市の一般廃棄物処分場で処理する方法を提示している。
 市町村が管理する58施設については、施設を利用する自治体間で処理法を検討するよう促す。
 8000ベクレルを超える汚泥について環境省は遮へい措置を取った上での保管などを求めているため、県は今回の圏域内での処理方針の対象とはしていない。
 汚泥を圏域内で処理する県の方針に対しては、「住民の理解が得られない」などと批判し、国に処分を求める声が強い。
 県北浄化センターは2000トンを超える汚泥を抱え、来月末には仮置き場が満杯になる状況となっている。悪臭問題も出ているため、県は対応を急ぐ必要があるとしているが、福島市側も、伊達市内の一般廃棄物処分場を運営管理する伊達地方衛生処理組合側も「住民の理解を得るのは極めて困難」と難色を示している。同センターの汚泥処理をめぐっては、柳津町の最終処分場への埋め立てを町に打診したが、拒否された経緯がある。
 あだたら清流センターがある二本松市も反対の立場。大滝根水環境センターが立地する田村市は市内の処分場で受け入れているものの「県は市町村の意見を集約した上で、最終的な処分方法を考えるべき」としている。
 2施設に計980トンを仮置きしている会津若松市は「市内に処分場所はない。国が全国の汚泥を一括処分してほしい」と要望。西会津町は放射性セシウム濃度が比較的低いため、汚泥の肥料化を視野に入れているが、財源確保が課題という。
 こうした市町村側の受け止めに対し、県は「住民の理解が最も重要。市町村と丁寧に協議しながら処理を進めたい」(土木部)としている。
 環境省は「安全性に配慮した埋め立て法を示している。市町村は、これを理解した上で対応してほしい」(産業廃棄物課)とし、あくまで地元自治体による処分を求めている。

カテゴリー:福島第一原発事故

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