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県が肉牛1500頭買い上げへ 適期過ぎた全頭対象

 高濃度の放射性セシウムを含む稲わらが肉牛に与えられていた問題で、政府から出荷停止指示を受けた福島県は28日、出荷適期を過ぎた全頭の買い上げを決めた。佐藤雄平知事が同日、基金取り崩しで確保した関連費用約10億円を盛り込んだ今年度の一般会計補正予算を専決処分した。全頭買い上げを求めてきた国が方針を示さないための対応で、県内の一カ月間の出荷頭数に当たる約1500頭を買い上げる。

 福島県が行う肉牛の買い上げの流れは【図】の通り。県畜産振興協会、全農県本部など畜産関係団体が8月上旬、農家から肉牛を買い上げる県肉用牛出荷円滑化対策協議会(仮称)を組織する。政府が出荷停止を指示した今月19日以降、農家が出荷を予定していた肉牛が対象で、一頭当たりの価格は東日本大震災以前の市場価格を踏まえて算定する。県は協議会に費用の総額10億円を補助する。
 当面は8月18日までの一カ月分を買い上げるが、出荷停止期間が長引けば増額して対応する考えだ。
 協議会が買い上げた肉牛は政府の出荷停止が続く間、農家が飼育を続ける。出荷再開後、協議会が食肉処理し、売却した場合は売上金を県に返還する。
 県は国に出荷適期を過ぎた肉牛全頭の買い上げを求めてきたが、現在までに実施方針は示されていない。28日、記者会見し全頭買い上げを発表した佐藤知事は「政府の対応が遅いため、県として対応する」と述べた。
 また、佐藤知事は記者会見で、肉牛の出荷停止解除後、県内で食肉処理される全頭の放射性物質検査を行う方針を明らかにした。県内では、郡山市の県食肉流通センターで処理できる頭数が最大で年間8千頭。県はこれらの食肉を同市の県農業総合センターなどで検査する。

■主要基金が枯渇 福島県、費用を国に請求へ

 佐藤知事が行った専決処分は、餌代の全額補助、緊急融資制度も含め総額26億8千万円に上る。全額を財政調整基金と減債基金の取り崩し、平成22年度決算からの繰越金で対応した。これにより両基金は残高が枯渇する。県は今回の費用を今後、国に請求する方針で、「国が全頭買い上げを実施しないための対応であり、発生したコストは国に支払いを求めていく」(財政課)としている。

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