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南相馬72世帯、川内は初1世帯 避難勧奨地点に追加

 東京電力福島第一原発事故で、政府の原子力災害現地対策本部は3日、局地的に放射線量が高く、住民に自主的な避難を促す特定避難勧奨地点に、新たに南相馬市の65地点(72世帯)と川内村の1地点(1世帯)を指定した。南相馬市は7月21日に57地点(59世帯)が指定されている。川内村の指定は初めて。

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 南相馬市と川内村の指定区域は【地図】の通り。南相馬市は鹿島区橲原(じさばら)の1地点(2世帯)、原町区大谷の3地点(3世帯)、大原の18地点(19世帯)、高倉の9地点(11世帯)、押釜の3地点(3世帯)、片倉の2地点(2世帯)、馬場の29地点(32世帯)。川内村は下川内字三ツ石・勝追の1地点(1世帯)。現地対策本部が7月に実施した調査結果を踏まえ、県、南相馬市、川内村と協議して決めた。
 今回の南相馬市の指定に当たっては、放射線量が毎時3・1マイクロシーベルト以上の場合、原発事故から1年間の積算線量が20ミリシーベルトを超えると推定。662地点を調べた結果、年間20ミリシーベルトを超える地点はなかったが、高校生以下の子どもや妊婦がいる世帯を指定した。先月21日に指定された橲原、大谷、大原、高倉の地点が追加され、新たに押釜、片倉、馬場の地点が指定された。
 川内村は既に全村避難しているため、指定の対象世帯に住民は住んでいないが、注意喚起のため指定した。
 両市村73世帯のうち68世帯は緊急時避難準備区域内となっている。
 川内村は既に対象世帯に知らせている。南相馬市は通知の準備を進めている。避難勧奨に応じると診療費の一部免除や国民年金保険料の減免などの支援が受けられる。
 県内の避難勧奨地点は伊達市の104地点(113世帯)、南相馬市の122地点(131地点)、川内村の1地点(1世帯)を合わせて227地点(245世帯)となった。
   ◇  ◇    現地対策本部と南相馬市は7日から13日まで指定に関する説明会を開く。7日は南相馬市鹿島区の鹿島中体育館、8、9の両日と13日は南相馬市原町区の石神二小体育館でいずれも午後6時半から開く。


■対応遅いと不満南相馬市民

 南相馬市の住民からは「もっと早く指定してほしかった」と政府の対応の遅さを指摘する声が上がった。
 庭先の地上1メートル毎時2・2マイクロシーベルト、50センチ毎時2・4マイクロシーベルト。南相馬市原町区の馬場地区の主婦(36)は先月18日に自宅で計測された放射線量の結果通知を見詰めた。「指定を受けられるかもしれない。でも、もっと対応が早かったらこんなにつらくはなかった...」
 南相馬市原町区押釜の主婦(36)の家族は原発事故後、福島市に避難した。夫は同市の医療施設に就職し、中学生の長男(14)、長女(13)と小学生の次男(9つ)は同市の学校に転校した。新しい生活を始めた矢先、環境に慣れず長女が不登校になった。先月初旬、家族全員で自宅に戻った。来月から市内で放射線量が低い地域にある住宅に引っ越す。「子どもが第一。指定を受ければ、少しは生活が楽になるかも」と話した。
 川内村の一世帯は、いわき市川前町に隣接する同村下川内字三ツ石にある。村によると、同世帯の家族3人は原発事故後、新潟県に避難しているという。


■「丁寧に対応したい」と南相馬市長

 南相馬市の桜井勝延市長は「子どもや妊婦のいる世帯の状況が配慮された。今後、住民の意向を確認しながら、避難の支援や除染を進めるなどして、住民が不安を抱かないように丁寧な対応をしていきたい」と語った。
 川内村の遠藤雄幸村長は「放射線量が高い場所が存在することが確認できた。緊急時避難準備区域の解除に向けた一つのステップと考えている」と話した。

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