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市街地初、線量詳細調査 あすから福島の渡利、小倉寺の1081地点 

 局地的に放射線量が高いホットスポット対策で、政府の原子力災害現地対策本部と県災害対策本部は18日、福島市の渡利、小倉寺両地区合わせて1081地点で線量の詳細調査に乗りだす。16日に発表した。学校や病院など多くの施設が立ち並ぶ市街地を対象にした詳細調査は県内初。対象地点はこれまでで最多となる。結果を基に特定避難勧奨地点に指定するかどうかを判断する。地区内では放射線の影響を懸念して転居するケースも出ており、住民からは一刻も早い判断と早期除染を求める声が上がっている。

■政府・県「避難勧奨」市と協議

 渡利地区の調査は654地点で、住宅が多い弁天山の麓と花見山などを含む弁天山から東側の広い範囲に及ぶ。小倉寺地区は427地点で、弁天山の南側の住宅地などで実施する。18日から22日までの5日間にわたって県職員らが各地点の住宅の玄関先と庭の地表面から高さ50センチと1メートルの空間線量を測定する。
 結果は9月初旬ごろに発表し、特定避難勧奨地点の指定の有無を市と協議する。判断には発表から数週間かかる見通しだ。
 7月5日から3日間実施した自動車走行サーベイ調査で、放射線量が比較的高かった地域を対象に選んだ。同調査時の渡利、小倉寺両地区の線量は毎時0.44~3.32マイクロシーベルトで、最大値は渡利地区東土入付近で測定された。

■「精神的負担減る」 住民歓迎、早期対策も要望

 詳細調査の実施について渡利地区町会連合会の穴沢健夫会長(66)は「ぜひやってほしい。一軒ずつ調べると聞いており、白黒がはっきりすれば住民の精神的負担が減る」と歓迎する。地区内の渡利小では2学期から転校する児童もいる。長男が同校に通う飲食業三原力さん(42)は「調査結果が明らかになれば、保護者も安心するのでは」と調査を急ぐよう求める。
 事前の自動車走行サーベイ調査で放射線量が比較的高かった渡利土入の主婦(72)は以前、測定器で庭の線量を測ったところ毎時約5マイクロシーベルトあり驚いた。今月になって玄関口の芝を刈り、表土を削ったが、2マイクロシーベルト程度にしか下がらなかったという。「年齢のこともあり、自衛策には限界がある。詳細調査の結果を受けて、除染などの具体的な対策を早く講じてほしい」と願う。
 小倉寺町会の加藤治男会長(67)は「しっかり測定すれば、住民にとって安心材料の一つになる。除染作業も進むのではないか」と期待した。
 渡利、小倉寺両地区は県庁から車で5~10分程度と近く、小中学校、高校、病院、スーパーなどのほか、住宅や公務員宿舎なども多い。全国的に知られる花見山もある。渡利地区は5726世帯・計1万4391人、小倉寺地区は997世帯・計2369人が暮らしている。
 特に渡利地区は市内でも高い放射線量が測定されており、健康への影響を心配する住民は少なくない。先月末には地区住民や市職員合わせて3500人以上が参加し、市内初の除染実験が行われた。

■大波地区370地点詳細調査済み 福島市内

 福島市では市北東部の山間部にある大波地区の370地点ですでに詳細調査が実施された。線量は毎時0.23~3.0マイクロシーベルトで、特定避難勧奨地点の指定は渡利、小倉寺両地区の結果を踏まえて総合的に判断するとみられる。

■3市村に特定避難勧奨地点

 放射線量の詳細調査はこれまでに福島、いわき、伊達、南相馬、相馬、川内の6市村の一部で実施した。このうち、特定避難勧奨地点には伊達市霊山町・月舘町の一部104地点(113世帯)、南相馬市原町・鹿島区の一部122地点(131世帯)、川内村下川内の1地点(1世帯)の3市村内で指定された。

カテゴリー:福島第一原発事故

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