東日本大震災

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物流に支障 あえぐ商店 県道いわき石川線 土砂で通行止め

 震度6弱を記録した4月11日の地震で県道いわき石川線(通称・御斎所街道)が通行止めになって以来、いわき市と中通りを結ぶ物流に支障が生じ、沿線の商店は売り上げ不振にあえいでいる。土砂崩れ現場のいわき市田人町石住字才鉢(さいばち)と同市渡辺町上釜戸では、復旧工事が8月下旬開通に向け急ピッチで進むが、工事は遅れ気味だ。沿線住民からは予定通りの開通を願う声や大型車が通行できる迂回(うかい)路の整備を求める声が上がっている。

 県道いわき石川線は、いわき市と県中、県南地方を結ぶ大動脈。通行止め後、同市の多くの運送業者は磐越自動車道などの迂回を余儀なくされている。同市の磐栄運送の村田裕之社長(51)は「高速道路を使うと遠回りで、ガソリン代などの費用がかさむ。非常に不便な状態だ」と嘆く。

 通行量の減少は、いわき市や古殿町など沿線の商店にも暗い影を落とす。いわき市遠野町入遠野の芝崎菓子店を営む社長芝崎和男さん(61)と妻久美子さん(60)は、いわき石川線沿いに支店を構え9月で9年目を迎える。通行止めにより、通行量が激減し、毎月の売り上げは一気に半分以下にまで落ち込んだ。

 「今のシーズンの土日は駐車場がいっぱいになるはずなのに...」。古殿町の道の駅ふるどの駅長の緑川佳彦さん(55)はため息をついた。震災前は小名浜港と県中、県南地方を往来する大型車やいわき市の観光施設へ向かう車でにぎわっていたが、通行止め以降、駐車場は閑散としている。5月の売り上げは対前年比で3割5分、6月は4割、7月は半分程度にとどまった。今は工事が順調に進むことを願うばかりだ。

 同町のマルマン醸造は、349号国道や49号国道、県道勿来浅川線などの迂回路で、いわき市の顧客への配達を続ける。ただ、配達にはこれまで以上に時間がかかるため、おかみの常盤照代さん(51)は「宅配便に切り替え、要望に応えられるようにしている」と顧客維持に懸命だ。

 古殿町には仕事や通院で、いわき市に通う町民も多い。鈴木一彦町総務課長補佐兼財政係長は「通行止めにより、町民に大きな負担を強いている。町経済にとってもかなりの打撃で、ただでさえ、景気が落ち込んでおり、一刻も早く再開通させてほしい」と求めた。

 通行止めとなった2カ所のうち才鉢地区の工事に遅れが出ている。県いわき建設事務所は8月下旬に関係機関による連絡調整会議を開き開通日を示す予定だが、8月下旬とした開通予定に間に合うかは微妙な状況だ。

 鮫川沿いの県道に土砂が流れ込んだ才鉢地区は県道の対岸に仮道を設け、本来の県道と仮道を行き来する橋を2本新設して車を通す計画だ。

 ただ、開通予定まで半月を切っても橋が完成していない。同事務所は「天候不順の影響で工事が遅れ気味だが、8月末の暫定供用に向け力を尽くしている」とする。

 上釜戸地区は県道にかぶさった土砂の上に仮道を整備中で、同事務所は「工事は順調」としている。

【写真】急ピッチで工事が進むいわき市田人町石住字才鉢の現場

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