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警戒区域一部解除せず 第一原発3キロ圏か 長期間、居住が困難

 政府は21日、東京電力福島第一原子力発電所事故で、半径20キロの警戒区域のうち原発に極めて近い地域について、長期間にわたり居住は困難として、警戒区域の指定を解除せず、立ち入り禁止措置を継続する方針を固めた。27日に菅直人首相が本県入りして、地元自治体に直接説明し、陳謝する意向だ。対象地域は大熊、双葉両町内の原発周辺三キロ圏内となる見通しで、政府は最終的な詰めを急いでいる。(2223面に関連記事)

■政府方針 首相、27日来県し陳謝

 政府は今年4月、原発から20キロ圏内を原則立ち入り禁止とする警戒区域とした。一方、9日の原子力災害対策本部では、事故収束に向けた工程表で原子炉が冷温停止状態となる「ステップ2」達成後に、警戒区域解除について検討する方針を確認していた。

 しかし、第一原発に近接した地域は放射線量が極めて高く、長期間にわたり居住は難しいと判断した。立ち入り禁止措置は数十年続くとの見通しもある。

 避難生活が長引く警戒区域の住民からは、集団移転を念頭に、政府が方針を明確にするよう求める声も出ていた。「政府としても『戻れない』と早く言わなければいけない」(首相官邸筋)とし、近く退陣する首相が在任中に本県を訪れ、陳謝することになった。

 第一原発周辺地域の居住可能性をめぐっては、4月に首相と会った松本健一内閣官房参与が首相の言葉として、「(周辺に)20年は住めない」と記者団に紹介したが、その後、「自分の発言だった」と訂正した経緯がある。

■恒久住宅の整備も平野復興相

 平野達男復興対策担当相は21日、東京電力福島第一原発周辺の一部地域で立ち入り禁止が長期化する可能性が出てきたことに関連し、該当地域の住民が移り住む恒久住宅の整備など新たな対応策の検討を急ぐ考えを示した。視察先の宮城県内で記者団に語った。

 平野氏は「災害住宅のようなものを建設して住んでもらうなど、次の計画を立てることになると思う」と述べた。

■土地買い取り検討

 政府は警戒区域のうち放射線量が極めて高い一部地域を解除検討の対象としないとの方針に関連し、長期化が避けられない場合を見越し、これらの地域について、土地の買い取りによる国有化も視野に対応を検討する。

■「許されない」「不愉快」地元町長

 福島第一原発1〜4号機が立地し、半径三キロ圏内を抱える大熊町の渡辺利綱町長は「町としても除染に向けて取り組もうとしており、(解除見送りは)許される話ではない。地元には何の話もない。政府は『地元の要望を聞く』と言っているが、どういうことなのか」と不快感を示した。

 5、6号機があり、三キロ圏内を含む双葉町の井戸川克隆町長も「町内の除染も実施していない中、そのような議論をすること自体おかしい。怒り心頭で不愉快だ。政府は町や住民のことを真剣に考えるべきだ」と述べた。

 県の荒竹宏之生活環境部長は「政府から現段階で連絡はなく、コメントできない。警戒区域については政府の原発事故収束に向けた工程表の『ステップ2』終了後に検討するものと認識している」との考えを示した。

※警戒区域 東京電力福島第一原発事故で大量の放射性物質が放出されたことから、原子力災害対策特別措置法に基づき立ち入りが制限された原発から半径20キロ圏内の区域で、4月22日に設定された。富岡、大熊、双葉3町の全域と、南相馬、楢葉、川内、浪江、葛尾、田村6市町村の一部が含まれる。政府の原子力災害現地対策本部によると、9市町村合わせて約2万7千世帯、7万8千人が避難している。このうち、原発から3キロ圏内は大熊、双葉両町の約500世帯、1300人。民主党の原発事故影響対策プロジェクトチームは今月3日、福島第一原発周辺地域で長期間放射線量が下がらず、居住が不可能な場合、住民の移住を促した上で政府が買い取って国有化することを柱とした提言をまとめた。

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