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警戒区域一部解除せず 砕かれた帰郷の夢 「せめて賠償を」 大熊、双葉の避難者絶句

 政府が東京電力福島第一原子力発電所に極めて近い地域を長期的に立ち入り禁止とする方針を固めた21日、大熊、双葉両町からの避難者は言葉を失った。対象地域は周辺三キロ圏内が中心となる見通し。住民は「このまま帰れないなんて...」「せめてしっかり賠償してほしい」と無念さを隠さない。原子炉の冷温停止後の立ち入り禁止解除についても、警戒区域内には放射線量が高い地域が多く、「除染により安全が確認できなければ、帰る気持ちにはなれない」と心境は複雑だ。

 「今すぐにでも帰りたいのに、諦められるわけがない」。自宅が福島第一原発から二キロの距離にある大熊町夫沢一区長、木幡昭重さん(73)は、政府の方針を聞き、表情を曇らせた。

 木幡さんは現在、会津若松市の仮設住宅に妻と暮らしている。最初の事故があった3月12日から一度も自宅に戻っていない。何十年も暮らし、思い出が詰まった掛け替えのないわが家。間もなく実施される三キロ圏内の一時帰宅を心待ちにしていただけに、なおさらショックが大きい。「これが最後の帰宅になるならば許せない」

 文部科学省の調査で年間の積算放射線量の推計値が508・1ミリシーベルトと最も高い大熊町小入野の会社経営佐久間紀昭さん(70)もがっくりと肩を落とした。もともと水戸市で段ボール製造会社を経営していたが、老後を考え大熊町への移住を決意。平成15年から約3億円をかけて自宅や会社工場、ゲートボール場の整備を始め、震災前日の3月10日に全て完了したばかりだった。「事故当初から戻れるとは考えていなかった。東電や国に買い取ってもらうしかない」と、ため息をついた。

カテゴリー:福島第一原発事故

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