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原子力被害対策基金、見送り 国「除染費予算化」と補助金交付せず

 東京電力福島第一原発事故に伴う自主避難者への支援や除染などに充てる県の原子力被害応急対策基金の創設が国の補助金を受けられず、27日までに見送られる見通しとなった。原子力事故被害緊急措置法で自治体による基金の新設が認められながら、国は除染費用などを既に予算化しているなどの理由で原資となる補助金を交付しない方針を決定。県は「法制化されたのに貴重な財源が失われる」と反発している。
 基金は、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の中間指針に盛り込まれていない自主避難者への賠償や住民への見舞金支払い、除染事業などに充当することを想定している。県が制度を設け、国が財源を負担する枠組みで3000億円規模の予算化が検討され、県も創設する方針だった。
 しかし、国はこれまでに県民健康管理基金の事業費や除染費用などの応急対策費用として計約2700億円を本県向けに予算化したとして、新たな基金向けに財源を確保する必要はないと判断した。内閣府被災者生活支援チームは「これまでも県の予算要望に応じてきた。基金創設に向けては(県の)条例づくりが求められ、時間がかかる」とし、基金よりも早く財源を確保できる補正予算や予備費で対応したと説明する。
 原発事故を受け、福島、郡山両市など国が損害賠償の対象外とした地域でも住民の自主避難が相次いでいる。国は県の求める復興基金創設に前向きな姿勢を見せているが、応急対策基金創設が見送りとなった場合、こうした自主避難に伴う経費を支援できない可能性が生じるほか、県内各地で行われている除染作業の予算が十分に確保されなくなる事態も懸念される。県総務部は「県の予算は厳しさを増し、財源はいくらあっても足りない。法制化された基金が創設されないのは納得できない」と国の姿勢を疑問視する。
 原子力被害応急対策基金は自民、公明、みんな、たちあがれ日本、新党改革の野党5党が提案し、7月に成立した原子力事故被害緊急措置法に盛り込まれた。

カテゴリー:福島第一原発事故

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