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今を生きる 星空で心癒やして 被災地を巡り"出前"観察会

仮設住宅の村民のため望遠鏡を調節する大野台長(左手前)

田村の星の村天文台長 大野裕明さん、智裕さん親子 

 「美しい星空で心を和ませたい」と、田村市「星の村天文台」の大野裕明台長(63)と息子の大野智裕副台長(27)は、被災地を巡り星空観察会を続けている。27日には、飯舘村民の避難先となっている伊達市の伊達東グラウンドの仮設住宅を訪れ、仮設住宅では初めての観察会を開いた。

 星の村天文台は最大の望遠鏡が地震で壊れた。被災した人たちに元気になってもらうために、自分たちで何ができるかと相談。"星の出前"を始めた。

 県内各地をはじめ岩手県の陸前高田市や旧室根村(現一関市)、宮城県の南三陸町など20カ所を回り、ボランティアで観察会を開いてきた。25センチと20センチの反射望遠鏡を持ち、夜空の星を見てもらう。それだけで被災者に笑顔が戻った。

 仮設住宅の避難者にも、この笑顔をプレゼントしようと思い付いた。

 大野台長は絶好の観察地である飯舘村に40年ほど通っている。格好の地と知り、東北大が観測施設を造ったほどだ。通い慣れた飯舘では「までいユニット」の委員も務め、村への思いが強い。そこで伊達市を最初に訪れることにした。

 敷地内の集会所で、地球が50億年前に誕生したことなどを説明し、いん石やマンモスの歯、恐竜の骨など実物を見せながら分かりやすく宇宙について話した。また望遠鏡メーカーが提供してくれた星座早見表を配布し、星の探し方を教えた。

 屋外では、2台の望遠鏡で村民に星空をのぞいてもらった。この日は晴れ渡り、ベガ、アルタイル、デネブの夏の大三角形もくっきり見えた。

 40人以上の住民が集まり、星空を楽しんだ。中には「飯舘の方がもっときれいに見えるのに」と話す人もいた。大野台長は「星空を見上げれば少しでも癒やされる。今後も続けていきたい」と話している。

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