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今を生きる 食品分野に再起託す ジャムと漬物 見本市初出品

初出展に向けて急ピッチで作業を進めるキミ子夫人(左)とさかえさん

■郡山で建設資材など販売 東栄産業の安藤社長
 建設・土木資材や太陽光発電設備の販売などを手掛ける東栄産業(本社・郡山市)は東日本大震災、台風15号の水害を乗り越えて食品分野に参入する。社長の安藤東栄さん(69)は夢だった新分野参入の実現直前、震災で自宅が全壊し、9月には台風で工場が浸水した。「商売はゼロから始まった。二重の困難を乗り越える」と決意。手作りジャムと漬物を食品見本市に初出品し販路開拓を目指す。

■震災 自宅全壊 ■台風 工場浸水
 安藤社長は古希を前に新分野に挑戦したい-との思いが募り、農業振興を視野に食品部門への業態拡大を決めた。昨年3月から商品開発に着手。田村高の同窓生で発酵学者の小泉武夫東京農大名誉教授や、元県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター所長の斎藤孔男さんから商品の方向性や製法、味付けなどに指導を受けた。生み出した商品は県産のトマト、カボチャ、ニンジン、枝豆、ユズを使ったジャムと、大根の皮の浅漬けなど。震災に見舞われたのは試作を重ねている最中だった。工場は再稼働にこぎ着けたが、自宅が全壊。工場2階に40日間寝泊まりし、今も民間の借り上げ住宅で暮らす。
 「逆に闘志に火が付いた」-。事業化を目指し、県産業振興センターの助成金を申請するなど準備を進めた。その矢先、9月21日に今度は台風15号の水害で工場が床上50センチほど水没し、大きな被害を受けた。同センターから助成決定の通知が届いたのは社員総出で工場内を整理している時だった。11月1、2の両日、都内で開かれる食品見本市への出展に弾みがついた。
 製造は専務で妻のキミ子さん(65)、長女佐合さかえさん(42)が担う。キミ子さん、さかえさんは夫、父の夢をかなえたいと連日、長時間の作業に臨んでいる。安藤社長は「みんなの支えがあってこそだが、諦めなければ夢はきっとかなう」と歩み続けている。

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