■いわきのサーファー有志 市海岸保全を考える会
いわき市のサーファーらでつくる「市海岸保全を考える会」は25日までに、東日本大震災の写真と被災者らの証言を集めた冊子「HOPE(ホープ)2」を発刊した。代表の小林祐一朗さん(49)は証言集を手に「被災地で希望を胸に頑張っていく糧になれば。再び美しい、いわきを取り戻したい」と願いを託している。
小林さんは市内でサーフボードの製造販売業を営んでいる。震災直後、「復興に関わる仕事がしたい」と、津波被災地のがれきを撤去する作業に携わった。
古里のため、他にできることはないのか-。考えた末、震災で被災した人々の「生の言葉」を記録し、未来への礎を築こうと思い立った。
証言者は、いわき市民を中心に中学生、高校生ら若者、消防団員、ボランティア、原発作業員、フラガールら130人。津波にのまれながらの生還、震災直後の出産、原発事故からの避難など、さまざまな立場から「3・11」当日の切迫した状況や行動、今、思うことなどを語っている。
証言を集めたのは、いわき沖で活動するサーファーら。現在は自粛ムードと放射能汚染の懸念もあり、いわき沖で波乗りをする光景はほとんど見ることができない。小林さんは「サーファーが以前のように海に出られる日が来ることを願う」と話す。
「HOPE2」の定価は980円。市内の書店などで販売している。売り上げの一部は義援金に充てる。記録の第一弾として発刊した写真集「HOPE」(定価500円)も販売中。
問い合わせは同会事務局のウェーブビジョン 電話0246(39)4440へ。
(カテゴリー:連載・今を生きる)