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「チェルノブイリ原発事故 福島への教訓」アーカイブ

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廃炉完了 見通せず 「石棺」に厳しさ痛感

アレクサンダー副所長(右から2人目)からチェルノブイリ原発事故後の現状について説明を受ける調査団員

 灰色の「石棺」が福島調査団を迎えた。事故から25年が経過したチェルノブイリ原発4号機。廃炉に向けた作業は続くが、完了の見通しはいまだ立っていない。
 事故の収束を阻むのは4号機内に残された約200トンの核燃料だ。石棺内部は放射線量が極めて高いことから、人間が長時間作業するのが難しい。このため、現時点で核燃料の取り出しや処理の計画を立てるのが困難という。
 同原発のノヴィコフ・アレクサンダー副所長は「事故の収束作業は今も継続している。放射線量が低くならない限り、作業のスピードは上がらない」と調査団に説明した。
 世界中に映像が配信された4号機の石棺は、旧ソ連政府による事故後半年の突貫工事で完成した。放射性物質の拡散を防ぐ応急措置で、耐用年数は30年。老朽化が進み崩壊の可能性があるため、ウクライナ政府は現在、石棺全体を覆う新シェルターの建設を計画している。日本をはじめ28カ国の支援を受け、総工費約1600億円をかけて、2015年の完成を目指している。
 シェルター建設計画の担当者は「新シェルターは100年の耐久性が保証される。その間に核燃料の処理法を考えるしかない」と打ち明ける。
 同原発は、運転を停止した1~3号機の使用済み燃料の保管、放射性物質に汚染された水の処理など課題が山積している。現在、3500人態勢で事故の収束作業に当たっている。
 「どれだけ長い時間がかかるのか計り知れない。人間の持つ英知を結集して最善を尽くさなければならない」。廃炉までの道のりが極めて厳しい実態を聞き、県の原子力安全部門を担当する県原子力安全対策課の小山吉弘課長は肩を落とした。
 調査団長の清水修二福島大理事・副学長は「人の力ではどうしようもない原発の恐ろしさを感じた。東京電力福島第一原発は廃炉までどのくらいの時間がかかるのか」と険しい表情を見せた。(本社報道部・渡部 純)

カテゴリー:チェルノブイリ原発事故 福島への教訓

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