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今を生きる 女性の力で地域元気に かーちゃんの力・プロジェクト開始 郷土の味提供を

「福島の『かーちゃん』の力を見せたい」と話す渡辺さん

■飯舘から福島に避難 渡辺とみ子さん
 「かーちゃん(母ちゃん)が元気になれば地域が元気になる」。飯舘村から福島市に避難している渡辺とみ子さん(57)は力強く話す。10月下旬、福島大小規模自治体研究所と連携し、東京電力福島第一原発事故によって避難している女性を支援する「かーちゃんの力・プロジェクト」をスタートさせた。今月22日に説明会を開き、本格的に活動を始める。
 「村が誇れるオリジナル品種を自分の手で作りたい」と、平成17年から「イータテベイクじゃがいも研究会」の会長として村オリジナル品種の「イータテベイク」や、カボチャの「いいたて雪っ娘」の開発に力を注いできた。品種を途絶えさせまいと市内佐倉下に土地を借りて栽培を続けた。山の恵みを受けて生きてきた村民にとって、田畑を手放しての避難生活は「まるで手足をもぎ取られたよう」と苦しい胸の内を明かす。
 原発事故で計画的避難区域となっている飯舘村の住民は、県内外に避難している。「誰かが動かない限り、つながりはできない」と市内の仮設住宅や借り上げ住宅を尋ね歩いた。すると「何か動きだしたい」「諦めたくない」「一人では何もできないが、つながれば何とかなる」と、多くの女性から声が寄せられたという。女性の力で地域の復興を進めたいとの思いが一層強まった。
 プロジェクトの柱は、母ちゃんたちがレストランや各地のイベントなどにキッチンカーで出向き、それぞれの「ふるさとの味」を振る舞う活動だ。第一弾として仮設住宅などで正月用のお供え餅を販売する「もちプロジェクト」の年内実施を目指す。
 「母ちゃんはそれぞれ誰にも負けない技を持っている」と笑顔を見せる。渡辺さんは「福島の母ちゃんの底力を見せたい」と新たな挑戦へ意気込む。

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