東日本大震災アーカイブ

住民帰還 安全確保が大前提

 政府が来春にも南相馬市の一部や楢葉町などの避難区域を解除する方針であることが明らかになった。ただ、住民の帰還を実現させるためには、放射線対策などで「安全安心」を確保することが大前提となる。

 政府は警戒区域解除の根拠として、該当する地域では放射線量が比較的に低いことを挙げている。しかし、詳細なモニタリング調査は実施されておらず、政府内部から「線量の局地的に高いホットスポットが点在する可能性がある」との指摘も出ている。

 本格的な除染作業はこれからで、事故以前の生活環境が回復する確約はない。東京電力福島第一原発の原子炉内の状態把握も依然、不十分だ。

 警戒区域内は津波被害を受けた沿岸部を中心に道路などのインフラや家屋の損壊も激しい。さらに、地震・津波などに対する一層の安全対策の必要性も指摘されている。

 県幹部は「スケジュールありきで、住民不在の青写真」と不快感をあらわにする。政府は今後、こうした指摘にいかに応え、地元自治体側の理解を得ていくのかが焦点となる。

カテゴリー:福島第一原発事故