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今を生きる 鳥羽一郎さんと夢の共演 のど自慢で「夫婦絆」熱唱 再発売のきっかけに

「夫婦絆」を熱唱する平さん(右)と京子さん。左が鳥羽さん

■鹿島区の仮設住宅 漁師・平仁一さん
 南相馬市鹿島区の西町第二仮設住宅の漁師、平仁一さん(56)が9月の「NHKのど自慢」で歌ったことがきっかけで、演歌歌手鳥羽一郎さんの「夫婦絆(めおときずな)」が再発売され、ヒットしている。平さんは22日、鳥羽さんのイベントに招かれ、夢の共演を実現させた。
 平さんは東日本大震災の津波で自宅と船、車を流された。さらに東京電力福島第一原発事故の影響で同居していた長男夫婦と3歳、1歳の孫が広島県に避難した。妻の京子さん(54)と2人で避難所生活を続けた。
 好きな歌を口ずさむこともなく震災から4カ月が過ぎたころ、京子さんが「うつむいてばかりの夫に、上を向いてほしい」との願いを込めて、のど自慢に応募した。選んだ曲は大ファンの鳥羽さんが2年前に3000枚限定で発売し、現在は生産されていない「夫婦絆」。家族がいることの幸せや妻への感謝の気持ちを歌っている。
 泥まみれの車から取り出したCDを聞いて練習を繰り返した。その結果、予選会を通過し、9月11日に岩手県久慈市で開かれた本番に出演した。
 のど自慢では平さん夫妻の被災の様子も紹介され、放送後のNHKなどに「心に響いた」と曲名の問い合わせが相次いだ。カラオケで歌われる回数も急増し、日本クラウンは今月2日に再発売した。売れ行き好調で、最新のオリコン歌謡・演歌週間ランキングで3位につけている。
 平さん夫妻は22日、鳥羽さんが東京・南青山のライブハウスで催した「夫婦絆」の再発売記念「いい夫婦の日イベント」のステージに登場した。震災後、被災地に救援物資を届けてきた鳥羽さんは「俺も平さんも海の男。仮設住宅の生活が早く終わるように応援したい」とエールを送り、平さんと2人で「夫婦絆」を熱唱した。
 平さんは「偶然が何回も重なって憧れの鳥羽さんとステージに立てた。夢のよう。この曲のおかげで前を向く力が出てきた。明日にも漁に出たい気分だ」と豪快に笑い飛ばした。
 鳥羽さんも「平さんを歌で勇気づけられたことがうれしい。今後は家族の絆の大切さを胸に抱いて歌っていきたい」と語った。

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